戦隊ヒーローの“ブルー”を主人公にしたワケ
米田:ペルソナを踏まえ、コミュニケーションの中心に「起業」ではなく「独立」という言葉を置く提案をしました。コミュニケーションを通じて「失敗しない」「着実」などの堅実なイメージを醸成することができ、安心感や信頼感が強い弥生のブランドイメージにもマッチすると考えたためです。
内藤:主観的にペルソナを描くのではなく、リサーチから得られたファクトをベースにペルソナを描くことができました。また、弥生の顧客像とリサーチから得られた示唆を組み合わせて、コミュニケーションの対象を考えられたことも非常に良かったと思います。
──描いたペルソナに沿って制作したWebCM「ブルー、独立する。」について、詳しく教えてください。
米田:戦隊ヒーローを模した主人公(ブルー)が、起業を志す動画です。正義のために戦うかたわら起業を志すものの、初めて経験する手続きの連続で心が折れそうになるブルーを、弥生の起業支援サービスがサポートするストーリーにしました。
戦隊ヒーローを登場させたのは、今回のターゲットを30~40代に設定していたためです。幼い頃に憧れていたヒーローが、自分と同じ独立・起業の夢を追いかけている。そんなヒーローの目線で、弥生を「独立を助けてくれるヒーロー」として描くことで、WebCMを見た方に「弥生=ヒーロー」という心強さを伝えようとしました。
加えて、戦隊の中でブルーが担う「真面目」「信頼」などのイメージが、弥生ブランドの持つ最も魅力的な部分と重なり、起業支援サービスの価値を十分に表現できると考えました。なお、ブルーは弥生のブランドカラーとも合致します。
2ヵ月で3,000万再生!ブランドリフトにも効果が
松尾:独立する人の多くが、ブルーのように優秀で、組織における信頼も厚いです。そんな人も、いざ独立するとなれば大きな不安に襲われます。一般的にSaaSのCMは、サービスの特徴や他社との違いを伝えることが非常に難しいため、今回のWebCMでは弥生らしさや弥生の顧客像をキャラクターに変換し、抽象化して伝えることが大切だと考えました。
映像表現においては、監督と話し合いながらドキュメンタリーのような撮影手法を取り入れました。感覚的な話ではありますが、独立に対する不安を素早く伝え、当事者の共感や自分ごと化を促す表現を重視しました。
内藤:キャッチーな表現に終始するのではなく、弥生らしい信頼感や安心感の伝達を重視した結果、目的としていたサービス認知とブランドリフトにつながるWebCMが出来上がったと思います。
──WebCMの公開後、どのような反響や成果が得られたのでしょうか?
内藤:公開から2ヵ月で動画の再生回数は3,000万回を突破しました。「起業=弥生」「弥生の起業支援サービスは信頼に足る」という認知が広まるとともに、サービスに対する興味・関心や利用意向も高まり、利用者の増加にもつながっています。