冒頭5秒へのこだわりで視聴完了率は76%に
──どのような点が成果につながったと思われますか?
米田:対象となる人の共感を集めながら、弥生のブランドを十分に伝えられた点にあると思います。今回制作したWebCMは、YouTubeを中心に展開しました。YouTubeでは、動画の冒頭からスキップボタンが表示されるまでの約5秒間で、ユーザーが視聴を継続する/しないを判断します。冒頭の5秒間で視聴者の興味を引くことに心を配りました。その結果、76%という高い視聴完了率を出すことができ、我々が伝えたいことを十分に伝えられた手応えを感じています。
松尾:WebCMだけでなく、LPやバナーを含む全てのクリエイティブを「ブルー、独立する。」の世界観に統一しました。また今回はWebCMに流すオリジナルソングも制作したのですが、動画のコメント欄には曲に対するポジティブなコメントも複数寄せられていて、うれしかったです。
米田:提案の前日に当社のメンバーの歌声でデモ音源を録音したのですが、素人が歌った音源にもかかわらず、内藤様は聴くやいなや「オリジナルソングを作りましょう」と言ってくださいました。
松尾:独立を志す人の心情を歌詞に乗せたこともあり、視聴者の共感を集める要素の一つになっていると思います。ストーリーや映像表現、曲などの細部までこだわった結果、まとまりのある世界観が生まれ、高い視聴完了率やブランドリフトにつながったのではないでしょうか。
デジタル時代のブランディングに強み
──最後に、皆さんの展望をお話しください。
内藤:起業支援サービスに限らず、弥生のブランディング施策が全体的にワンショット/スポットのキャンペーンになってしまっているため、今後はあらゆるタッチポイントで一貫したコミュニケーションを展開し、ブランドのメッセージや価値を継続的に伝えていきたいです。
米田:我々は「デジタル時代のブランディング」を非常に重視しています。WebCM一つとっても、ターゲティングというデジタルならではのテクノロジーを活用することで、より踏み込んだブランディングが実現できます。クライアント企業が築いてきたブランドをデジタルの力で変容させ、企業価値やサービス価値の向上に貢献していきたいです。
松尾:デジタル領域のマーケティングに専門性を持つ当社だからこそ、今回の弥生様とのお取り組みのように、動画や各種Web広告、LPの制作まで、ひいてはアッパーファネルからロワーファネルまで、一貫してご支援することが可能です。
ブランディングは「かっこいいクリエイティブを作れば良い」という単純な話でもなければ、ワンショットで完結するような取り組みでもありません。メンバーやステークホルダーを巻き込みながら、同じ目線を持ち、表層的な数字だけの議論に終始しないことが大切です。今後もその姿勢を忘れず、クライアント企業のブランディングを支援していきたいと考えています。