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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

ブランドは気まぐれな消費者とどう向き合うべきか?

現代の消費を紐解くキーワード:リキッド消費/トキ消費/応援消費/界隈消費/消費の好循環/パルス型消費

4.Z世代マーケティングの鍵を握る「界隈消費」

若年層における新たなコミュニティの形態「界隈」とは?

 私が所長を務めるSHIBUYA109lab.では、若者の今と未来をマーケティングの観点から探る目的で、毎月約200人の若者(男女・主に15〜24歳)と接し、話を聞いています。そんな中、2年ほど前からインタビューでよく耳にするようになったのが「界隈」というワードです。

 「界隈」とは共通のファッションテイストや趣味、好きな世界観などを軸にした、ゆるいつながりのこと。たとえば、ファッションテイストや世界観の軸においては「フレンチガーリー界隈」「韓国界隈」「地雷界隈」「量産界隈」「水色界隈」などの界隈があり、みなさん自分のSNSアカウントを好きな世界観で統一しています。

 ただ、それぞれの界隈は独立して存在しているわけではありません。実際にはいくつもの界隈が重なり合って存在しており、それぞれが混ざって新しい界隈ができることもあれば、1人が複数の界隈にアクセスすることもあります。

 また、SNSで知り合った界隈の人たちとリアルで会うなど、界隈はデジタルとリアルの区別なく存在しています。

メガトレンドより、界隈のほうが消費に影響を及ぼすように

 界隈消費とは、SHIBUYA109lab.が提唱した、主に若者に見られる消費行動のことです。紹介してきたような「界隈」の中で消費を行う傾向が顕著になってきています。

 界隈消費が出てきた背景には、メガインフルエンサーより、マイクロインフルエンサーやナノインフルエンサーのほうが若者の消費に影響力を持つようになったという変化があります。手の届かないところにいる人より、より身近にいる人の発信のほうが自分ごと化しやすいのでしょう。

 この流れに拍車がかかったのは、コロナ禍に入ってからです。様々なことが制限される時期を過ごす中で、「浅く広くみんなと仲良くしたい」ではなく「同じ熱量を持つ人たちと本当に好きなモノ・コトを楽しみたい」と願う人たちが増えたと感じています。この流れは今も変わっていません。

 各人が自分の好きを追求するので、俯瞰して見ると、多種多様なトレンドが並行して多数走ることになります。「今、Z世代ではこれが流行っている」と大きなトレンドを一言で表すことが難しくなっているのはこのためです。

 若者の消費行動は細分化・多様化が進んでいます。「Z世代」と大きく捉え、宙に浮いたマーケティングを展開しないことが大切です。一過性のバズで終わらせないよう、生の声を聞き、熱量を感じ取り、深く入り込んでいくことが求められると思います。

 

 

株式会社 SHIBUYA109 エンタテイメント
ソリューション事業部 マーケティング部
ディレクター 長田麻衣氏

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5.心が動く消費には“次”がある!「消費の好循環」とは

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MarkeZine(マーケジン)
2024/07/16 09:30 https://markezine.jp/article/detail/45861

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