さらに音声広告の体験を高める、音声CM制作のテクニック
ASMR(エーエスエムアール)
ASMRとは「Autonomous Sensory Meridian Response」の略称で、日本語では「自律感覚絶頂反応」と表されます。本来は、視覚や聴覚への刺激によって、ゾクゾクするような感覚による肉体的な反応を表す言葉です。雨や風、炎などの自然音、食べ物を食べる際の咀嚼音などが代表的です。
「シチュエーションを利用した疑似体験」のパートで記載したように、ASMRを意識した広告は高い疑似体験性をもった音声広告体験を実現します。
3Dオーディオ
最近では3Dオーディオ(バイノーラル録音を用いた音声広告)といわれる、立体音響を用いたものが注目を集めています。
3Dオーディオでは特殊な収録や音作りによって音の方向や距離を感じることができ、そのCMの中にリスナーがいるような体験が得られます。臨場感や没入感を実現することで、記憶に残る広告体験を提供できるでしょう。
楽曲型音声CM
音声CM自体を音楽として作成し、オリジナルの楽曲をCMに活用する音声広告クリエイティブです。広告メッセージを曲の歌詞として盛り込むことで、コンテンツ性の高い音声広告となります。特に音楽ストリーミングサービス内での音声広告配信などでは音楽の合間に広告が再生されるため、ユーザー体験を崩しづらく顧客の共感も得られやすい特徴があります。
さらに、楽曲の歌詞ならではのリフレイン(繰り返し)で耳残りのよさを実現することもできます。適切に活用することで、広告であるにもかかわらずリスナーが思わず「また聴きたい」と思うような広告体験につながります。
またオトナルでも、楽曲型コンテンツマーケティングの一環として「オトナルのテーマ」を作成し公開しています。こちらは各種音楽ストリーミングサービスでも聴くことができます。
ダイナミッククリエイティブ(DCO)やターゲティング連動
デジタル音声広告の場合は、データによる広告ターゲティングなどが可能であるため、一度の広告キャンペーンで広告配信をするクリエイティブを複数設定することができます。
ダイナミッククリエイティブ(DCO:画像・動画・テキスト・音声などを組み合わせて配信しパフォーマンスを最適化)の手法で広告クリエイティブのパターンを考える際に、時間帯や広告に接触するエリアなどに合わせて音声広告が最適変化や出し分けされる設定を行うことで、リスナーに合わせた広告配信が可能になります。
夜に広告接触する場合は「こんばんは」、朝に広告接触する場合は「おはようございます」のように、変わる広告パターンを設計することでリスナーに向けたパーソナライズを実現。それぞれのシチュエーションに合わせた、体験性の高い音声広告になります。
たとえば、スギ薬局が実施したキャンペーンでは時間帯と商品、エリアによる複数のダイナミッククリエイティブ配信を実施し、高い効果につながっています。

本記事では、音声広告の出稿時に欠かせない音声CM音声クリエイティブの重要性やその作り方のポイントについてご紹介しました。広告接触者の心に響く広告体験を実現するヒントになれば幸いです。