SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第105号(2024年9月号)
特集「Update:BtoBマーケティングの進化を追う」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

今こそ知るべき、音声マーケティングの世界 ~耳から顧客に訴求する“第5のデジタル広告”~

動画広告から音声広告は作れるか?デジタル音声クリエイティブの作り方と届け方

 現在、“第5のデジタル広告”として注目される「デジタルオーディオ広告(音声広告)」。本連載ではデジタル音声広告・音声コンテンツのビジネス活用を支援し、国内1,500件以上の音声広告提案実績を持つオトナルの八木太亮氏が、市場動向・トレンドや特徴、具体的な活用方法まで解説。第4回では、音声広告ならではの音声クリエイティブの作り方や届け方について紹介します。

「動画広告」の音声をそのまま使っても「音声広告」にはならない

 「音声広告として、動画広告の音声をそのまま使用できますか?」

 これは我々オトナルが、音声広告(デジタルオーディオ広告)の出稿をはじめようとしている企業様と話す際によく受ける質問です。この質問への答えは「原則はノー」です。

 もちろん使用できないことはないのですが、音声広告出稿の効果最大化のためにはそれに最適化したクリエイティブが不可欠です。動画のために作った広告クリエイティブの音声部分だけを使うのではなく、音声の体験を加味した音声クリエイティブを作ることで、他のメディアフォーマットではできない広告施策になります。

 本記事では、音声広告の効果を最大限に発揮したい場合、音声広告に最適化をしたCMを作るべき理由やその作り方を紹介していきます。

音声広告は「体験」のメディアである

 音声広告で重要なキーワードは「体験」です。音声広告は視覚情報がないだけに、自身で脳内に何かをイメージしながら聴くという体験になります。耳から誰かの声を聴く体験は、目を閉じればCMの中にリスナー自身がいるような疑似体験や、そのCM内のビジュアルを自身の脳でイメージして補完することによる感情変化を引き起こします。

 文字で説明するより体験していただくほうがわかりやすいと思うので、下記の音源を実際に聴いてみてください。イヤホンをつけて聞いていただくと、よりその意味を理解いただけるかと思います。


 いかがでしょうか? やや不思議な商材の広告ではあるものの、聴きながらシーンの一部が脳内に思い浮かんだのではないでしょうか。

 ビジュアルがないからこその音声の表現力が広告接触者の想像力と結びつき、音声広告にしかできない「体験」を生む、これが音声広告のクリエイティブの力です。本記事の後半では、実際に復数の企業の音声クリエイティブを聴いていただきながら作り方を解説していきます。

「感情」に響く、表現力の高い音声広告が広告効果を最大化する

 グローバルエージェンシーであるWPP傘下のMindshareがSpotifyと行った消費者の潜在意識に関する調査では、音声広告によって引き起こされた感情強度の増加は、グローバルのすべてのメディア平均よりも12%高い結果となりました。感情に影響をおよぼす広告は広告接触者の行動意向が高くなり、ブランド好感度が上昇することがわかっています。

 また、30秒の音声クリエイティブ聴取時における「感情強度」と「脳活動の強度」を示した下記のグラフでは、脳活動が高まったタイミングで感情強度が高まっていることがわかります。

出典:https://www.wpp.com/wpp-iq/2023/09/engagement-and-emotions-are-triggered-by-audio

左が感情強度、右が脳活動の強度を示す(出典:https://www.wpp.com/wpp-iq/2023/09/engagement-and-emotions-are-triggered-by-audio

 つまり、音声広告は他のメディアフォーマットよりも感情変化を起こしやすく、脳が活発化するような表現力の高い広告クリエイティブにすることで、その広告効果をさらに高められるといえます。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
音声広告の作成時に押さえるべきポイントは?

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
今こそ知るべき、音声マーケティングの世界 ~耳から顧客に訴求する“第5のデジタル広告”~連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

八木 太亮(ヤギ タイスケ)

株式会社オトナル代表取締役。2013年にウェブメディアを運営する株式会社オトナルを創業。音声広告プランニングから媒体開発まで手掛ける“音声広告カンパニー”として、デジタル音声広告と音声コンテンツのマーケティング活用を支援している。ラジオ局や新聞社、出版社などの大手メディア向けに音声配信のテクノロジー提供をサポートを行っているほか、音声配信者向けに国内ポッドキャストのランキングポータルサイト「ポッドキャストランキング」を運営。著書:『いちばんやさしい音声配信ビジネスの教本 人気講師が教える新しいメディアの基礎(インプレス)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/07/19 08:00 https://markezine.jp/article/detail/45985

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング