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第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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MarkeZine Day 2024 Kansai(AD)

阪急阪神ホールディングスが実践!データを味方につけ、分析で事業部門に貢献するDX推進術とは

 DXを推進する際、トップダウンで決めた方向性が現場事情と乖離することや、知見や人員教育なく強引に進めた結果、プロジェクトが頓挫することは少なくない。2024年6月11日に開催したMarkeZine Day 2024 Kansaiでは、One to Oneマーケティング実現のためのDXプロジェクトを進行している阪急阪神ホールディングスと関連企業の担当者が登壇。データ活用基盤の重要性とDXプロジェクト推進のポイントについて語り合った。

沿線住民の生活を支える阪急阪神ホールディングス

 関西に住む多くの人が接点を持つ、阪急阪神東宝グループの一つである阪急阪神ホールディングス(以下、阪急阪神HD)は、9,976億円(2023年度)の営業収益で、主に6つの事業体を構成した全107社から成る企業体だ。グループ売り上げの5割以上を担う鉄道と不動産事業、宝塚歌劇団や阪神タイガースを擁するエンターテインメント事業、さらには情報通信や旅行代理店と複合的な事業を展開している。

 阪急電鉄をはじめとする5社が中核会社として各コア事業を推進しているが、DXプロジェクト推進部は、全体像を把握できる阪急阪神HD直下のグループ開発室に設置。全体戦略に沿った施策の企画・立案・実行をするとともに「データ分析ラボ」で分析に取り組んでいる。

 「2021年から『お客さまを知り、お客さまにサービスをきちんと届け、コンテンツを磨いていく』ためのOne to Oneマーケティングに力を入れています。第一の取り組みとなるのが、グループ共通の『HH cross ID』です」と、DXプロジェクト推進部長の山本氏は紹介した。

サイロ化されたデータ統合に着手

 同グループは、顧客の生涯をサポートする幅広い商品やサービスを提供している。沿線に住む人々は、幼少時代にプログラミング教室や登下校の見守りサービスを利用し、やがて鉄道の通学・通勤定期を持つ。適齢期になれば、系列ホテルで結婚式を挙げたり、マンションを購入したりする。子どもができれば、また見守りサービスを利用するのだ。

 「しかし我々阪急阪神グループは、お客さまのことを実はまったく知らなかったのです」と山本氏は切り出す。なぜなら、これまでは事業会社ごとに集めた個人情報は、サービス提供の範囲で活用が限定されており、グループ内で引き継がれなかったからだ。長くグループの各種サービスを利用してきた人であっても、違う事業会社では新規顧客扱いだったのである。

 「阪神タイガースには阪神タイガースの顧客名簿、宝塚歌劇には宝塚歌劇の顧客名簿がありますが、阪急阪神グループ全体の顧客名簿は約120年、存在しませんでした」と山本氏は振り返り、HH cross IDを導入したことで顧客管理の基盤が構築され、顧客データの統合と分析が進められるようになったと語った。デジタル系サービスではログインパスワードとして使用し、リアル系サービスは認証デバイスとHH cross IDを紐づけることで、すべての行動データをCDP(Customer Data Platform)に蓄積できるようになった。

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 顧客はひとたびHH cross IDを持てば、リアル施設もECサイトも、スムーズにサービスを受けられるようになり、最終的にはシングルサインオン(1度のユーザー認証をすれば複数システムを利用できる仕組み)で、各種データや様々なアプリを利用できることを目指している。

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DX推進のカギとなる、本社と各事業会社の役割分担とは

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:インキュデータ株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/07/25 10:00 https://markezine.jp/article/detail/45986

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