ブロンズを受賞した、西友「みなさまのお墨付き」3作品
――今回、ブロンズを受賞した西友のPB「みなさまのお墨付き」のパッケージデザインについて、ポイントなどをご紹介いただけますか?
喜多野:「みなさまのお墨付き」は、立ち上げてから11年目のPBブランドで、今年で12年目を迎えます。「安くて品質が少し劣る」といったPBへのイメージを底上げしたいという考えを持ち、西友さんと二人三脚で、立ち上げから着実に育ててきたブランドです。
パッケージも決められたフォーマットではなく、一つひとつデザインしており、たとえば、カクテル、クラフトサワー、98円均一菓子シリーズ(受賞した3作品のうちの一つ)などのパッケージデザインは、それぞれテイストが異なるデザインを採用して作り込んでいます。
また、販売する前に消費者調査を実施し、そこで80%以上の支持を得られたもののみを採用するといった試みも行ってきました。「みなさまのお墨付き」というブランド名は、こうした支持をもとにした基準を設けたことに由来するわけですが、こうした取り組みにより消費者ニーズに沿った形で独自性を生み出せているのだと思います。
PBデザインを通して、買い物体験をより良くしていきたい
――ここまでの内容を踏まえ、日本のPBの今後の課題について最後に考えをお聞かせください。
喜多野:PBは開発から生産、陳列に至るまで、色々な制約があるのが現実です。メーカーとの関係性もあるでしょうし、しがらみは多いでしょうから、欧米のように多様なPB商品が拡充されるまでには時間がかかると思います。
そうした課題はありつつ、顧客の買い物体験をより良くできる可能性もあるはずなので、私たちがそういったシーンを牽引できたらと思います。
𠮷田:日本のPBにおいても、状況を打開しようという気概を感じられるブランドがありますよね。顧客と共創するという方向性をしっかり打ち出しながら、ユニークな商品展開や売り場での露出量、パッケージデザインなどにも力を入れているブランドもあります。私たちもクライアントワークを通して、PB全体の傾向を変えていけるような展開を目指していきたいです。
