AI本格時代、より広告効果を上げるためのポイントは?
ここまでの内容を踏まえ、これからMeta広告でより成果を上げていくためには、大きく3つのポイントがあると考えます。
まず1つ目は、新しい機能やプロダクトがリリースされたら、できるだけ早く活用・検証を進めるということです。早い時期に導入すれば、その分、先行者メリットも得られます。また、アルゴリズムの傾向や、それに基づいた細かな運用テクニックもノウハウとして蓄積されていきますから、新機能にスピーディーにキャッチアップすることは大切です。
次に2つ目は、機械学習に必要なデータの質と量を確保すること。Metaの場合、質の良いクリーンなデータを機械学習に送るには、CAPIの導入が欠かせません。目下必要な対策として、CAPIの導入は早期に行うことをおすすめします。
最後に3つ目は、前述の内容と少し重複しますが、プラットフォームの理解を深めることです。たとえば、ASCの検証を行う際も、仮説のないテストを繰り返すようでは前進がありません。AIのアルゴリズムはブラックボックスであっても、Metaがどのような方向に進もうとしているのか、それを実現するためにどのような方向性で技術開発をしているのかなど、前提情報を収集することは重要だと考えます。プラットフォームの理解を深めることで、Metaの機械学習を少しでも紐解いていくことが、現在我々に課されている役割です。
総じて、広告運用に従事する者が置かれている状況は、以前よりハードになっているようにも思います。しかし、広告主、プラットフォーム事業者と一緒により良い広告環境を作っていく立場にいるという自負もありますので、広告代理店として我々にできることからやっていきたいと考えています。

株式会社ワンスター デジタルDRM事業部
メディア本部 データAI局 セクションリーダー
藤原大地氏

株式会社ワンスター デジタルDRM事業部
第二トレーディングデスク局 セクションリーダー
小又一輝氏
※本記事は、2024年7月刊行の『MarkeZine』(雑誌)103号に掲載したものです