読売広告社は、子会社であるショッパーインサイトが保有する食品ID-POS購買行動データベース「real shopper SM」を活用し、食品スーパーにおける調味料の購入変化を分析し、その結果を発表した。
調味料の売上高と季節には変動が見られる
まず、調味料における売上変動の傾向を分析し、季節との相関関係を調べると、7~8月の夏、12~1月の冬、それ以外の時期、という季節と関連して売上が変動する調味料があることがわかった。
また、夏に売上高が高くなる調味料と、冬に売上高が高くなる調味料を、それぞれ「夏型調味料」「冬型調味料」として分類し傾向を分析。すると、「夏型調味料」の中でも、夏と他の季節での売上高の差が大きく、夏に特に多く売れる傾向がある調味料のトップ3は、しょうが(加工品)、梅肉(加工品)、漬物調味料となった。
一方、「冬型調味料」でも同様に分析したところ、冬により多く売れる傾向がある調味料トップ3は麹・酒粕、スープベース、鍋つゆとなり、季節ごとの旬の食材やよく食べられる料理との関連性がうかがえる結果となった。
「麺つゆ・麺スープ」の併買商品も季節によって変化
次に、夏との関連性6位である「麺つゆ・麺スープ」のレジを通過した顧客1,000人あたりの販売金額指数(金額PI値)を分析した。
その結果、「ラーメンスープ」は年間を通じて大きな変動は見られないが、「うどんスープ」は3月頃から上昇し、8月までの暑い時期に山なりになっていることがわかる。また、「そうめんスープ」は7月にピークとなる急勾配な山になり、「そばスープ」は特に12月に指数が高くなる。
このように、同じ「麺つゆ・麺スープ」のカテゴリーでも種類により金額PI値が高い月に違いがあることがわかった。
さらに、「うどんスープ」のバスケット併買のリフト値(同時に別の商品を買う度合いを示す数値)を調べた。
その結果、リフト値の各月上位5位を見ると、1位は、「麺つゆ・麺スープ(うどんスープ以外)」、2位「生・ゆでうどん」には季節性は見られなかった。
しかし、3位以降では、4~8月は「乾燥うどん」が3位、「冷凍麺」が5位であるのに対し、9~3月は天かすやフリーズドライの天ぷらなど「トッピング素材」が3位で、「蒲鉾」や「生・ゆでそば」が4位・5位となり、季節による違いが見られた。
【調査概要】
集計期間:2022年6月1日~2024年6月30日
エリア:日本全国
カテゴリー:季節分析-基礎調味料、加工調味料、香辛料/併買分析-全食品
利用データ:real shopper SMデータ
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