自社の現状整理とデータの棚卸が重要
簗島:次に、これからのハイブリッドCookieを実現していくために進めていくべきことについて話したいと思います。私はもう少しCookie廃止の影響や新しいアプローチ先など全体感を見て、各媒体の獲得効率だけでなく最終的な集客数や売上のゴールからマーケティング戦略を設計していくことが必要だと思っています。
杉原さんが考える、今後取り組むべきことについて教えてください。
杉原:iOSユーザーの何%がターゲティングできないのか、サードパーティCookieが使えなくなったときのビジネスインパクトがどのくらいなのかといったことをイメージできていない方が多いので、自社周辺のマーケティングに関する環境がどう変化しているかを把握することが重要です。
杉原:加えて、特にデマンドサイドに当たる広告主はデータ資産の棚卸に取り組むべきだと考えています。
データの棚卸に関しては、ファーストパーティデータを保有しているかどうか、そして保有している場合どのようなデータが存在しているのかを把握する必要があります。
データの棚卸をした上で、サードパーティCookieを代替するソリューションを分類していくと、自社に合ったものを取捨選択し、導入・活用にこぎつけることができます。現状多くの国内企業で対策が進んでいないのは、データの棚卸ができていないことと、ソリューションのグルーピングが良くわかっていないことの2つが原因だと考えています。
このどのような代替ソリューションがどのようなグループに分かれているのかの啓蒙はまだまだ必要だと考えています。
簗島:企業の方から相談を受けていると、まだ自社データの現状把握はできていない印象があります。今社内にあるデータのうち、デジタルマーケティングに活用できるデータはどれだけあるのか、理解していくことが必要ですね。
一つのソリューションでは課題を解決できない
簗島:最後に代替ソリューションをどのように取り入れていくのがベストなのか考えていきます。私は杉原さんのおっしゃっていたデータの棚卸をした上で、自社が取り組みたいマーケティング活動を踏まえてソリューションのマップに合わせて取捨選択していくことが重要だと思っています。杉原さんはいかがでしょうか。
杉原:簗島さんのお話しした進め方に加えて、前提として一つのソリューションで全てをカバーすることはできないということを理解しておくべきですね。いくつかのソリューションを複合しないと解決できない課題もありますし、そのためには導入・活用に向けた技術的ハードルが存在することも理解すべきです。
簗島:ありがとうございました。いつどのようなアップデートが起きるかわからない状況が続きますが、その中でもポストCookieの対策の導入・検討を考えつつ、ハイブリッドCookieへの対応に取り組めると良いですね。