インターブランドは10月10日、グローバルのブランド価値評価ランキング「Best Global Brands 2024」を発表した。このランキングは、グローバルに事業展開を行うブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してランキング化している。
ランキング全体では、100ブランドの価値総額は3兆4,261億ドルで、前年比+5%と2年連続で1桁成長にとどまった。またAppleが12年連続で首位を獲得したものの、ブランド価値は前年比ー3%となり22年ぶりに減少した。
成長率が最も高かったブランドはFerrari(62位)で、前年比+21%だった。同社は企業視点・カテゴリー発想ではなく、「ブランドとしてどのように生活者の欲求に応えるか」という生活者視点・ニーズ発想への転換を実践している。
日本ブランドのランクインは6ブランド
日本ブランドではToyotaが昨年に続き6位(+13%)で、21年連続で自動車ブランドの最高位を獲得した。その他、Honda(26位、+9%)、Sony(34位、+9%)、Nissan(59位、+10%)、Nintendo(70位、+9%)、Panasonic(98位、ー4%)がランクインした。
初ランクインはNvidia(36位)、Pandora(91位)、Range Rover(96位)、Jordan(99位)。Uber(78位)とLG(97位)は再ランクインを果たした。
25年間継続ランクインしたのは35ブランド
インターブランドは、2000年から同ランキングの評価・発表を開始しており、2024年で25回目となる。25年間継続してランキングにランクインしたのは以下の35ブランドだった。
Adidas、Amazon、AmericanExpress、Apple、BMW、Budweiser、Cisco、Coca-Cola、Colgate、Disney、Ford、GE、Gillette、Gucci、Honda、HP、IBM、IKEA、Intel、Kellogg’s、LouisVuitton、McDonald’s、MercedesBenz、Microsoft、Nescafe、Nike、Panasonic、Pepsi、Philips、Samsung、SAP、Sony、Starbucks、Toyota、Volkswagen(※ABC順)。
ブランド価値金額の総計は3.4兆円に
ブランド価値金額の総計は、2001年の9,883億から25年間で約3.4倍の3.4兆円まで増加した。しかし、マーケティングが短期的な財務的利益をもたらした一方で、長期的なブランド戦略への投資不足により、Best Global Brand全体で少なくとも約3.5兆ドルの未実現価値があったとインターブランドは試算している。
同社の分析によると、ランキング全体で最も成功している企業は、自社ブランドをコストセンターとしてではなく収益源として扱っているとしている。また顧客とのより深い、より有意義で、より公平な関係を築くことで、顧客のロイヤリティと推奨を促進し、消費者の生活により深く浸透する余地を生み出していると分析している。
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