第1Qの売上高は655億円、広告事業が牽引
ヤフーは7月25日に、平成21年3月期第1四半期(2008年4月1日~6月30日)の連結業績を発表した。売上高655億円(前年同期比15.6%増)、営業利益328億円(10.9%増)、経常利益324億円(13.6%増)、純利益191億円(18.2%増)となった。
事業別の売上高を見ると、広告事業は336億円(前年同期比37.4%増)、法人向けのビジネスサービス事業は140億円(0.5%減)、個人向けのパーソナルサービス事業は178億円(1.2%減)となった。
ただし、ヤフーはこの第1四半期から、パートナーサイトに支払うTACや販売代理店の手数料などを売上高から控除するネット表示に変更しており、広告以外の2つの事業が前年同期比マイナスとなっているが、グロスでは全事業プラスとなっている。
景気減速で検索連動広告に急ブレーキ?
広告事業では、行動ターゲティング広告が好調で、昨年10月に導入した大きなサイズの広告枠「プライムディスプレイ」が行動ターゲティング広告での配信で売上を伸ばしている。検索連動広告も、広告掲載企業の増加、入札価格だけでなく品質インデックスも考慮した広告掲載、オーバーチュアの子会社化などによって、前年同四半期比で大幅に売上が拡大している。
しかし、前年同期比では好調の検索連動広告も、景気の減速によって大手広告主を中心に出稿意欲の低下が見られたことから、前四半期比では売上が微減となっている。
ヤフーの3つの事業のうち唯一気を吐いている広告事業だが、今後景気減速の影響をどの程度受けることになるのか気になるところだ。
モバイルは、検索もコマースも好調
「Yahoo!モバイル」のページビューを昨年6月と今年の6月で比較すると、27.1億PVから37.9億PVに成長。広告では検索連動広告が伸びているほか、オークション、ショッピング、トラベル、チケットなどのコマースで、モバイル経由の取扱高が前年同期比で大幅に拡大しているという。
ちなみに、Yahoo! JAPAN全体の月間総ページビューは、昨年6月の390.1億PVから439.8億PVに、またアクティブユーザーID数は1,967万IDから2,202万IDへと増えている。この集客力を、広告以外の事業にどうつなげていくかが今後も課題となりそうだ。
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