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MarkeZine Day 2024 Focus

ユナイテッドアローズのOMO本部長が語る 店舗起点の感動ドリブンなOMO

感動提供のための接客の4ステップ

 ユナイテッドアローズの店舗スタッフは、主に四つのステップで接客を行っているという。来店した顧客の行動を観察する「ウォッチング」と、適切なタイミングを見計らって声をかける「アプローチ」、顧客の要望や不明点を聞く「ヒアリング」と、顧客への提案などを行う「プロポーザル」の四つだ。

 ユナイテッドアローズのように、ミッドトレンドマーケットと呼ばれる中価格帯あるいは高価格帯のアパレルでは「入店した顧客にすぐ声をかけず、ウォッチングすることが多い」と岩井氏。たとえば顧客が値札を見るアクションは、購入に心が一歩近づいたシグナルであるため、そのシグナルが出たタイミングでアプローチをかけるようにしているとのことだ。

 感動ドリブンのOMO戦略では、こうしたプロの接客を、店舗だけではなくオンライン上でも行っているという。オンラインでパーソナライズした接客を実現するためには、店舗スタッフが観察や経験に基づいて接客するかわりに、様々なデータを基に適切なコミュニケーションを行う必要がある。OMO施策に取り組む前準備としてECサイトやアプリのリニューアルなどを進めたのは、自社のファーストパーティデータを拡充するためだ。

 店頭でもアプリのバーコードをスキャンするとオンライン上の顧客データを取得でき、さらにパーソナライズした接客を実現する。このように、オンラインとオフラインをシームレスにつないで相乗効果を上げる狙いだ。

体型だけでなく好みのサイズ感も加味したパーソナライズ

 ユナイテッドアローズでは、アプリを軸にOMOを展開している。パーソナライズのための情報として、顧客属性や行動(閲覧・購買)に加えて会員向けプログラム「UAクラブ」のアクションマイルを活用。アクションマイルとは、お気に入り登録やLINE連携といった顧客のアクションをポイント化したものだ。

 さらに、顧客が購入した商品特性のデータも計算元情報として活用している。ただし、オンラインでの購買比率は全体の2割程度で母数となるデータは少ない。店舗で接客した顧客の情報をPCに記録して保有しているため、こうした店舗のデータも吸い上げロジックの中に入れ、AIでパーソナライズ化していくという。これにより、たとえば「体型的にはMサイズが合うものの、トップスは大きめのサイズを好むため普段はLサイズを買っている」など個々のニーズがわかり、デジタル上でもパーソナライズが可能となる。

「顧客のLTVを計測するなら、購入履歴をできるだけ遡れたほうが都合は良いですが、接客のパーソナライズにおいてはそうとも限りません。なぜならアパレルにはトレンドがあり、古いデータは参考になりづらいからです。そのため、ここ2〜3年のデータを使い、瞬時に計算してアプリやECサイトへ反映するようにしています」(岩井氏)

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この記事の著者

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行う。2008年よ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/02/28 07:00 https://markezine.jp/article/detail/47474

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