LINEヤフーは、2024年11月26日に「LINEヤフー BIZ Conference 2024」を開催した。
同イベントでは、LINEヤフーの各種サービスのアップデートをはじめ最新情報を発表。合わせて、ブランディングや新規顧客の獲得、良質な顧客体験の提供などマーケティングの4つのテーマにおけるクライアント企業との取り組みを紹介するセッションも実施した。
オープニングセッションでは、上級執行役員 マーケティングソリューションカンパニー カンパニーCEO 池端由基氏が、イベントのテーマ「Connect W!th Every Moment」について紹介。消費のプロセスが多様化する中、LINEおよびYahoo!各種サービスをリニューアルしながらユーザーのあらゆるモーメントをとらえ、企業とのつながりを作っていくことを示すという。
そして、同社が掲げてきた、公式アカウントを中心にあらゆるビジネスソリューションを連携・統合して企業とユーザーをつなぐ「Connect One構想」実現に向け、様々な領域の取り組みを進めていくと述べた。
次に、上級執行役員 マーケティングソリューションカンパニー カンパニーCPO 二木祥平氏から、各種サービスのアップデート内容が発表された。LINE公式アカウントのCRM領域では、LINEスタンプのレコメンド機能の対象にスポンサードスタンプが追加された他、公式アカウントがトークリスト上で特別なラベルを示される機能や、セグメントの詳細化などが既に実装されている。今後は、スポンサード絵文字も利用可能となる予定だ。
無料のチャット機能もアップデートし、オプションで企業とユーザーとのやり取りログを保存できるストレージの拡張や、AIによる自動応答の拡張なども進めていく。
そして、「LINE通知メッセージ」も利用用途を拡大。LINE通知メッセージは、友だち登録していないユーザーであっても電話番号によってメッセージを配信できる機能となり、現在は配送サービスのお知らせなどユーザーにとって適切だと判断された限定的な用途のみに使える。アップデートにより、2025年以降はアンケートや抽選結果、金融手続き、クーポン・ポイントなどより広い用途において利用できるようになる。
CX・DX領域においては、「LINEミニアプリ」のこれまで必要だった事前審査を、必須ではない形に変更。「認証済ミニアプリ」「未認証ミニアプリ」の2種類に細分化した。これにより、企業はスムーズに利用を開始できリリ-スまでの時間も削減できる。なお認証済ミニアプリでは、今後LINE内やYahoo!検索からのアクセス導線を強化するとともに、課金や広告掲載など提供機能を拡大していく。
「今後はオンライン系サービスをはじめより多くの業種・業界に提供できるよう、プラットフォーム作りを進めていきます」(二木氏)
この他、2024年3月から提供しているAIのクリエイティブ生成機能のさらなる拡張を準備していることや、TVerとのパートナーシップにおける取り組みとしてインストリーム広告での連携をテストしていることなども言及された。
また、データソリューションとしてはLINEとYahoo!JAPANの広告マネジメントプラットフォーム統合に2023年から着手しており、両者のユーザーアカウント連携によって統合分析の範囲を広げる取り組みを推進。データ連携が進むことで、両サービスを横断した広告配信が可能となる。
さらに、LINE公式アカウントの新たな機能として「Business Profile」を発表。これは、LINEヤフーの各サービス上にある情報やコンテンツをプロフィールページとしてまとめた情報ポータルだ。ユーザーは、Business Profile上でメッセージ配信といった企業とのコミュニケーションから予約や購入など様々なアクションまで完結できる。
加えて、Business Profile上にあるコンテンツ情報をLINEヤフーの展開する各メディアと連携することで、企業とユーザーとの出会いからアクションまでつなげていく。Business Profileは2025年から順次提供していく予定だ。
続いて、上級執行役員 メディアカンパニー カンパニーCEO 片岡裕氏と執行役員 マーケティングPF統括本部 統括本部長 齋藤菜津子氏から、Yahoo!JAPANアプリおよびLINEアプリのリニューアルと、同社が提供する新たな顧客体験・ユーザー体験について説明がなされた。
Yahoo!JAPANアプリのリニューアルは既に2024年6月から進められており、マスおよびパーソナルの観点からアプローチを強化している。LINEアプリのリニューアルでは、ホームタブや「VOOM」タブをコンテンツ・情報が多く流れる場にしてユーザーの回遊性を高める構想を立てており、2025年から取り組んでいく。
「多くのユーザーが現在、LINEアプリをコミュニケーション目的で利用してくださっています。ユーザー規模を活かして、様々な情報を発見でき体験までカバーできる『ディスカバー&アクション』という考え方を、従来のコミュニケーションに加える検討をしています」(片岡氏)
「私たちは広告とオーガニックなコンテンツを分けず、同じフォーマットで配信していくことで、よりユーザーのモーメントや関心に寄り添い心地よくアクションまでつなげ、CVRを向上していきたいと考えています」(齋藤氏)
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