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モノを愛するプロたちが、カタチで課題を解決 博報堂プロダクツ プロダクトデザインチームの全容とは

3Dプリンターによるプロトタイプを使った提案が「伝わりやすさ」と「安心感」に

――具体的にどういったフローで業務を進めていくのでしょうか。

橋本 まずはクライアントとの打ち合わせで、なぜプロダクトデザインが必要なのか、そのプロダクトに何を求めるのかといった部分をしっかりヒアリングします。プロデューサーや営業と一緒に行うこともありますが、最近では直接お仕事をさせていただく案件も増えています。その後、ラフのデザインを作ってご提示し、そこから絞り込んでいく流れです。提案時には3Dプリンターでプロトタイプを出力したり、立体ツールを使ったりして、なるべく具体的に想像してもらえるように工夫しています。

なぜ3Dプリンターで作ったプロトタイプを活用するようになったのかと言うと、きっかけは容器やボトルのデザインに携わる機会が増えたことです。

内田 これからそうした案件を増やしていきたいと考えていたタイミングだったことと、自分たちの造形の勉強も兼ね、プロトタイプを作り始めました。立体サンプルは制作に手間はかかりますが、モノがあることで伝わりやすさがまったく変わります。カタチのデザインは、絵ではわからない手触りや感覚がとても大事なんです。

橋本 ユニークなカタチを言葉や絵のみでご提案すると「ちゃんと手で持てるのか」「安全安心なデザインになっているのか」など不安に感じることもあると思うのですが、実際にサンプルに触ることができれば安心していただけますし、アイスブレイクにもなっています。

内田 これらのプロトタイプは、少し痛そうに見えるデザインでも、実物を持ってみると意外と手にフィットするなど、チームにとっても発見がありました。触ってみた感覚や影の出方、カタチの美しさは、立体サンプルがあることでわかりやすさが増し、コミュニケーションもしやすくなるんです。

これらのプロトタイプは立体と平面でそれぞれ50個、合計100個が1年かけて制作された。
これらのプロトタイプは立体と平面でそれぞれ50個、合計100個が1年かけて制作された。

――社内のプロジェクトでも、プロダクトデザインチームがモノづくりを行うことはありますか?

内田 はい、インナーブランディングの施策で僕らがカタチをつくることも多いです。たとえば、年に一度社内アワードを発表するのですが、2024年にはそのグランプリチームに渡すトロフィーを制作しました。コロナ禍を経て久々にリアルで授賞式を行うこともあり、それを盛り上げるアイテムとして、また受け継いでいけるものとして、功績を象徴するトロフィーを作ってほしいという依頼でした。そこで、「事業力の結集」という会社の方針からコンセプトは「輝く結集力」に決定。そのうえで複数案のなかからもっともオススメしたい案のサンプルを3Dプリンターで作成し、塗装をして提案しました。

提案時のスケッチ
提案時のスケッチ

よく見るとトロフィーには、プロダクツの頭文字であるPが事業本部の数だけ(トロフィー制作時)集結しており、またそのPにはそれぞれpeopleやpowerなどPで始まる言葉の意味付けをしています。社員1人ひとりの力と各事業力が結集し、光り輝くイメージを形にしました。

土台は真鍮、上の部分は樹脂素材に蒸着メッキの仕様で、お付き合いのある加工業者さんにクオリティの高いものに仕上げていただきました。同時にロゴマークや表彰状の盾、記念品のパッケージやキービジュアルなど、周辺の制作物も担当。社内からたくさんの反響をもらいました。

次のページ
意識しているのは「カタチからコンセプトが連想できるか」 フィジカルが持つパワーとは 

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この記事の著者

松岡 亜希(マツオカ アキ)

フリーランスのライター&エディター。出版社勤務を経て独立。雑誌、書籍、Webサイト、企業広報などさまざまな分野で活動中。

http://pubapart.com/

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社博報堂プロダクツ

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2025/01/28 12:00 https://markezine.jp/article/detail/47680

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