誤解2:画像を多用すればリッチで高品質
「画像を多用すればリッチで高品質」という考え方は、一見正しいです。実際、画像や図解は、ないよりはあったほうが読者の理解を助けるケースが多いです。ただし「読者の理解を深める」という条件が付きます。単に見栄えを良くするためや、視覚的なインパクトを狙うだけの画像は、むしろ逆効果になることもあります。
たとえば、以下のような使い方です。
- ページの読み込みが遅くなるほど高解像度な画像を多用する
→本末転倒です- コンテンツと無関係、文脈にそぐわないストック画像を乱用する
→既視感のあるストック画像は「またあれか……」とゲンナリさせます- 情報が過剰に詰め込まれた複雑な図解やグラフをそのまま掲載する
→パワポをスクショしただけ……なんてことはないですか?- モバイル表示に最適化されていない画像サイズやレイアウト
→スマホで視認できるか確認していますか?
このような使い方では、読者にストレスを与え、必要な情報にたどり着く前に離脱されてしまうでしょう。
効果的な画像活用の基準とコツは以下の通り。
- 文章の補足として
→理解を深めるために、文章では伝えにくい内容を視覚的に補完する
→図解ではなく、箇条書きやテーブル表記もアリ- 関連性を優先
→文章のテーマや文脈に合った画像を選び、不必要に派手さを狙わない- 軽量化を徹底
→ページ読み込み速度を考慮し、画像は圧縮や最適化する- モバイル対応
→スマホ表示に配慮し、サイズやレイアウトを調整する- 独自性のある画像
→ストック画像や生成AIだけに頼らず、自分で撮影してみる
意味も関連性もない画像(例:Oh My God!……な表情で頭を抱える外国人など)は百害あって一利なし。枯れ木は山のにぎわいにはなりません。画像は使い方次第でコンテンツの価値を高めますが、あくまで「読者の理解」を目的とした活用が求められます。「読者に価値があるか?」という意識は忘れずに。
誤解3:専門用語を散りばめると信頼性が上がる
よくあるこの誤解の要因は「難解な表現=プロフェッショナル」という思い込みです。わかりやすく伝えるのが専門家なのに、「簡単な言葉ではプロらしく見えない」「平易な表現だと知識不足と思われる」という自意識や、「抽象的にしか説明できないから、難解な用語でけむに巻こう」という保身欲が頭の片隅にありませんか?
書き手が「プロフェッショナルに見せたい」「専門知識をアピールしたい」という欲を無意識にねじ曲げ、「専門用語を散りばめると信頼性が上がる」という言い訳に転嫁している構造ですね。
ただ、これはケース・バイ・ケースです。業界人向けのコンテンツであれば、専門用語を使うことが妥当な場合もあって、たとえばMarkeZineなら「KPI」「LPO」「CTR」「CRO」にいちいち補足は不要だと考えられます。読者が一定のリテラシーを持っている前提で話を進めるべきシーンもあるでしょう。
しかし、専門用語の多用は読者に「とっつきにくい」と感じさせ、興味を削ぐ可能性があることは常に意識しておくべきです。
