ブレイキンの大会をコーセーが主催した狙い
廣澤:2024年10月には、コーセーが主催でブレイキンの大会「KOSÉ BREAKING FES」を渋谷で開催しました。私も観戦しましたが、オリンピアンを始めとする国内外の名だたるダンサーが出場し、来場者の盛り上がりもすごいと感じました。しかも観覧無料だったのにも驚いたのですが、なぜ開催にいたったのでしょうか。

中村:チームを立ち上げて以降、様々なブレイキンの大会に協賛してきました。その中で、コーセー=ブレイキンという認知がダンス界隈では獲得できた一方、単純な協賛を続けても世の中の認知は広がらないですし、認知の先にある会社やチームのファンになってもらうなどの深いファネルには届かないと感じました。
それであれば、コーセーの冠を付けた大会を主催して、認知だけでなく感動や喜び、楽しさを届けようと思ったのが開催の背景です。
廣澤:あの規模の大会を観覧無料で主催することで、実際にダンスファンや一般の方々にブレイキンとコーセーのつながりを強めたい狙いがあったんですね。
中村:そうですね。また、オリンピックが話題になっていたタイミングでもあったので、その話題を風化させたくないという思いもありました。そして、継続的にブレイキンを発展させるには、ブレイキンに関わる企業や個人が連携していく必要があります。コーセーがその旗振り役となろうと考えました。
廣澤:大会の反響はいかがでしたか。
中村:延べにはなりますが、来場者は1万人を超え、オンラインでも1万人以上の方が視聴していました。一定のメディア露出にもつながり、SNSでも話題となり、コーセーに関する言及もあったので、目的は果たせたと評価しています。また、15もの企業や団体にサポートをしていただけたのはとてもありがたかったですね。

自分で仕事を作る意識が成長のカギ
廣澤:ダンスチームとして着実にステップアップしているKOSÉ 8ROCKSですが、コーセーの各ブランドと連動した取り組みは行っているのですか。
中村:化粧品とダンスチームを連携していくのはまだまだこれからですね。商品に関する発信をSNSで行ったり、直営店やPRイベントにダンサーを呼んだりする取り組みをしていますが、その他にも取り組みができればと考えています。
廣澤:では、最後に若手や同世代のビジネスパーソンに向けてアドバイスをお願いできますか。
中村:自分が仕事を作り出す意識を持つことが重要だと思っています。新卒で入って最初の1~2年は与えられた仕事に向き合えば良いですが、30歳くらいから自分で仕事を生み出すことが求められます。
会社全体がその意識になると活性化していくし、世の中にも良い影響を与えられると思います。
廣澤:確かに最初の1~2年はまず目の前の仕事ができないと新しいチャンスも回ってきませんからね。ただ、ずっと誰かに仕事をもらうのを待っているだけでは、どこかで成長が止まってしまうと感じます。中村さん、本日はありがとうございました。