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デジタルで広がる、オフライン広告の可能性

バズるOOHの法則 4年間の「広告巡礼」から見えた話題化に欠かせない三要素

話題化を狙うために意識すべきポイントとは?

 この時の環境としては、できるだけ早く投稿できる環境が整っていることが理想的。たとえば、信号待ちの間や電車に乗っている最中、駅のホームで電車を待っている時間、誰かとの待ち合わせ時間などです。撮影してから時間が経過してしまうと、体感した感想や感情も薄れてしまいます。そのためほとんどの場合、投稿まで至りません。一方、その場ですぐに投稿できる状況が整っていれば、広告への感情が新鮮なうちに投稿される可能性が高まるため、より多くの人から共感される投稿が生み出さる可能性が高くなります。

 このように、通行人からの自然なSNS投稿を促すためには、「気づき」から「撮影」、そして「投稿」に至るまでの各段階での障壁を可能な限り取り除くことが重要です。特に、写真が撮りやすい広告枠の選定や、すぐに投稿できる環境を近く用意することなどは、写真を撮影してから投稿するまでの「アクセルを止めさせない」上で大切なこと。投稿数に大きく影響する要素であると言えるでしょう。

 これまでの話を踏まえて、話題化するOOHを作る上で意識すべきポイントを三つにまとめてみます。

 まず一つ目は「すれ違う一瞬でどう注目してもらうか」です。通行人にとって、OOHは街の風景の一部でしかないため、ほとんどの人はスルーしてしまいます。だからこそ、OOHを掲出する際には、人々が通り過ぎるほんの一瞬で興味をもってもらえるようなひと工夫が重要です。

 二つ目は「地域特性や流行をどう活かすか」です。OOHは季節のイベントや地域の特徴を活かしやすいメディアです。それらを広告に取り入れることで、「自分に関係がある」と感じてもらうことができます。

 この要素を上手く取り入れたのが、以前記事の中で紹介した、アース製薬が2024年8月に羽田空港第1ターミナル(国内線)の入口近くで展開した「アースジェット」と「ゴキジェット」の広告です。

 同広告では、8月のお盆シーズンに合わせて「実家の虫はデカいぞ!」と大きく描かれた広告を展開。“季節”を体感しやすいコンテンツとなっていたことで、多くの人に自分ごととして受け入れてもらえたことが話題化につながったのだと考えています。

 三つ目は「撮影ハードルをどう下げるか」という視点です。これは先述の通り、話題化させる上で非常に重要だと言えます。どんなに素晴らしい広告を掲出できても、写真に収めにくければSNSでの投稿・拡散は期待できないからです。

 これら三つの要素は、どれか一つを満たしていれば良いのではありません。相互に関連し合うことで、初めて話題化まで持っていくことができます

 これまでのOOHは、「大多数の人に見てもらうこと」を重視し、駅前や繁華街など、人通りの多い場所に大きな広告を設置することが一般的でした。しかし、SNSという新たな視点が加わったことで、必ずしも人通りの多い場所に面している枠に掲出しなくても、高い広告効果を発揮できるようになっています。これからOOHを企画する際には、今回紹介した三つの要素を参考にしてみてください。

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この記事の著者

加藤 誠也(カトウ セイヤ)

株式会社ビズパ アドクロ編集長

 食品メーカーで営業職を経験後、2019年に同社入社。主に、編集長として広告・マーケティングの情報メディア「アドクロ」のコンテンツ制作を担当。「広告巡礼」を日課としており、Xでは見つけた広告事例に考察を添えて発信、テレビ出演やセミナー登壇も多数。 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/02/20 08:30 https://markezine.jp/article/detail/48167

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