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デジタルで広がる、オフライン広告の可能性

バズるOOHの法則 4年間の「広告巡礼」から見えた話題化に欠かせない三要素

 インターネット広告の躍進が著しい昨今でも、OOHや新聞を始めとするオフライン広告は爆発力と拡散力を秘めている。本記事では、ビズパでスタートアップ、ベンチャー企業の集客支援やOOHコンサルティングに携わる加藤氏が、広告巡礼を通して獲得した知見、分析と考察を基に、話題化したOOHが持つ特徴やOOHがSNSに投稿されるまでのステップ、そして話題化を狙うために意識すべきポイントを紹介する。

SNSの普及で影響力が増しているOOH

 従来OOHといえば、掲出された場所の前を通る人だけが目にする極めてローカルな媒体でした。しかし昨今、その「影響力」は大きく変化しています。SNSが普及したことで影響範囲が大幅に広がったのです。たとえば、駅や街中に設置されたポスターは、通りかかった人がSNSに投稿することで、設置場所から遠く離れた場所にいる人々の目にも触れるように。物理的な場所の制約を超え、全国規模での情報拡散が可能になりました。

 こういった変化を受け、近年のOOHは「斬新なデザイン」や「写真映えする仕掛け」など、話題化を促す工夫を取り入れたものが多く掲出されるようになってきていると感じています。

本来ならOOHの掲出に向かない場所も設計次第で注目を集めるように。【画像をクリックすると記事に遷移します】

 当然、すべてのOOHがSNS向けに作られているわけではありません。しかし、OOHの設計を考えていく上で従来の「その場所で見てもらう」から「SNSで拡散してもらう」という新たな視点が加わったことは、OOHの設計を考える上で大きな転換点であると言えます。

 本稿では、私が広告巡礼を通して獲得した知見、分析と考察を基に、話題化したOOHが持つ特徴、OOHが投稿されるまでのステップ、そして話題化を狙うために意識すべきポイントを紹介します。

話題化した「OOH+SNS投稿」が持つ三つの共通項

 まず、話題化したOOHやそれに関するSNSでの投稿を見ていると、三つの共通する特徴があることがわかります。

 一つ目の特徴は、「ギョッとする発見がある」です。たとえば、2024年10月に掲出された、「大つけ麺博 日本一決定戦」のアドトラックはこの特徴に当てはまります。同広告では、多くの人が固定観念として持つ「アドトラックはホストクラブの広告が多い」という特徴を上手く活用し、まるでホストクラブの広告のような演出を採用。そのため、まったく異なる業種のイベント告知だったと気づいた時には、衝撃とともに強い記憶を残すことに成功しています。

渋谷で目撃したアドトラック。ホストクラブ風の広告でつけ麺のイベントを紹介していた

 SNSは日常生活における自身の体験や感情を発信しやすい環境。このような意外性のある広告を提供することで、見た人のSNSへの投稿意欲を刺激することができます。

 二つ目の特徴は、「話題化させた投稿はシンプル」です。私自身、SNSで毎日広告事例を紹介する投稿を続けていますが、実は万単位のリポストが得られるような大きな反響があったのは2回のみでした。そこで私以外の投稿で、数千を超える反響があったOOHに関するSNS投稿を分析。その結果、スマートフォンで見た時に、投稿内容の文字量が「1〜2行程度に収まる程度の長さである」というパターンが見られました。

【クリックすると拡大します】

 これは、短文の投稿では「視聴者が広告を目にした瞬間の直感的な印象」や「その時に感じた感想」をダイレクトに投稿しているものが多く、それらが共感されていることの現れだと考えています。そのため、シンプルな文面の投稿が大きく話題になりがちなのでしょう。

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この記事の著者

加藤 誠也(カトウ セイヤ)

株式会社ビズパ アドクロ編集長

 食品メーカーで営業職を経験後、2019年に同社入社。主に、編集長として広告・マーケティングの情報メディア「アドクロ」のコンテンツ制作を担当。「広告巡礼」を日課としており、Xでは見つけた広告事例に考察を添えて発信、テレビ出演やセミナー登壇も多数。 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/02/20 08:30 https://markezine.jp/article/detail/48167

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