リテールメディア活用、そして地域貢献も
同グループでは、リテールメディアとしてのiAEONアプリの活用も進めている。依頼を受けてWAON POINTキャンペーンを実施したり、クーポンキャンペーンなどをiAEONアプリ上で訴求したり、アプリクーポンを発行したりしている。

iAEONアプリ上では、店舗に関わるもの以外のキャンペーン告知やターゲットを絞った広告配信も可能であるほか、アプリのIDを活用することで販売データをはじめとした様々なデータをユーザー単位で分析し、販売促進に活用している。
また、環境意識の高まりを受け、2024年6月には電子レシート機能をリリースし、今年の3月には黄色いレシート機能も実装し、さらなる利便性向上に向けて取り組んでいる。加えてアプリをクーポン配信や決済のツールに留めず、地域貢献のツールとしての活用も目指している。たとえばキャッシュレス募金など、店頭で始めるには準備に時間がかかるがアプリ上ならすぐに開始できる。
iAEONを通じて、提供し続けたい価値
今後力を入れていきたい課題の1つとして、関矢氏はiAEONの認知拡大を挙げる。iAEONの認知度はまだまだ満足のいくものではなく、SNS活用やコラボ企画を通じたブランディング強化に取り組んでいる。
「CDPに関しても始まったばかりで、まだまだ目指す姿には到達していません。現在は、会員の属性やセグメントに基づくメッセージの配信に取り組んでいる段階であり、本来のパーソナライズ化に向けて、研究し続ける必要があります。最終的には高度なAIにより分析されたデータを元に、自動でOne to Oneマーケティングができるようなシステムに仕上げていきたいと考えています」(関矢氏)
最後に関矢氏は「現代は、物質的な豊かさだけでなく精神的な充足も重視されます。iAEONを通じてお客さまと社会がつながる世界の実現を目指しています。未来への創造力と今を見つめる共感力の両方を磨くことで、小売の世界を変えていきたいです」と伝え、セッションを終えた。