35万件以上のテレビCMデータから、最善の一手を導く
ブランド広告の効果を定量的に分析し、クリエイティブの最適化を支援するのが「STRATEGY BLOOM CM ANALYSIS」だ。これまで、テレビCMなどのブランド広告は効果測定が難しく、広告施策の成功要因が明確になりにくいという課題があった。この課題を解決するために、CREATIVITY ENGINE BLOOMでは35万件以上のテレビCMデータを活用した分析ができる。
「STRATEGY BLOOM CM ANALYSISでは、広告効果を様々な角度から数値化し、どの表現が視聴者の態度変容につながるのかを可視化できます」(竹村氏)
同機能により、マーケターは過去の成功事例をもとに、新しい広告の制作に活かせる。また、競合他社の広告と比較し、自社ブランドの強みを明確にすることも可能だ。
「同じカテゴリーのCMでも企業毎に訴求目的が異なっており、それぞれの企業が独自のブランドイメージを確立していることがデータから読み取れます。こうした知見を活かすことで、より効果的な広告施策を実施できます」(竹村氏)

さらに、AIを活用し、広告の表現要素ごとの効果を評価・予測する機能も導入予定だ。これにより、CM制作のPDCAサイクルを短縮し、より精度の高いマーケティング施策が可能となってきそうだ。

AIとの共創で、迅速かつ高度な意思決定を
今後、博報堂DYグループは、同プラットフォームのさらなる進化を目指し、AIとの共創によるマーケティングの最適化を推進していくそうだ。
CREATIVITY ENGINE BLOOMは単なるマーケティング支援ツールではなく、企業のビジネス成長を後押しするプラットフォームへと進化していく。博報堂DYグループは、今後も新たな技術を取り入れながら、より洗練されたマーケティングの実現に向けて取り組んでいく構えだ。
現段階では、グループ内での活用を中心に浸透させていっているが「将来的にはクライアント企業への提案を活性化し 、業界全体のマーケティングプロセスを変革したい」と北川氏は意気込んだ。
マーケティング業務のPDCAサイクルは、デジタル化により高速化している。しかし昨今のAIの進化により、さらに短縮され、データに基づいた迅速な意思決定ができることで、より高度化されたサービスを提供できるようになりつつある。最後に竹村氏は「私たちは、データとクリエイティビティを掛け合わせることで、これまでにないマーケティングの価値を提供していきたい」と話し、同セッションを締めくくった。