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事業成長に役立つ「ブランド投資」を考える

ブラントと営業の理想的な相互作用とは?営業の生産性を向上するブランド投資事例

 事業成長につながる「ブランド投資」の方法とその成果をブランド戦略からクリエイティブ制作、マーケティングまでを総合的に支援するセブンデックスがご紹介する本連載。今回は、営業の生産性向上とブランドについてです。

優秀な営業組織が存在するのに売れない理由

 最近、大手企業から営業課題に関する問い合わせをいただく機会が増えてきました。商品やサービスの機能は間違いなく素晴らしく、これまで成果を出してきた営業組織があるにもかかわらず、商品が売れないといったお悩みです。

 部長クラスの方に課題感をうかがうと営業の人員不足や、育成の遅れについて言及されることが多く、より現場に近い方からは、テレアポや訪問数といったKPIの未達に課題があるという声が多いです。

 目標未達の原因が人員計画や、営業計画にあるという見方は間違っていないと思います。しかし、悩む企業に共通する特徴を考えてみると、別の課題も見えてきます。それは「適切なブランド投資ができていない」ことです。

 たとえば人材業界では、「この領域の募集ならこの採用媒体がいい」といったブランド認知が既に強烈に形成されています。そのため、ブランドを確立できていない新規採用媒体の営業は難易度が高いです。また、独自の付加価値が認識されていない場合は、価格競争に陥ってしまいがちです。

ブランド力と営業力の関係性
ブランド力と営業力の関係性

 その他の業界でも、近年ブランド投資を積極的に行う企業が増えています。ユーザー側からしても、機能的な差分がそれほどないサービスが増えたため、印象や情緒的な価値を頼りに購入を検討するようになってきています。ブランド投資に力を入れる企業が増える中では、営業頼りの戦略は効果を発揮しづらくなっているのです。

 優れたブランドをつくることができれば、営業の生産性は高まります。「ブランドをつくる」とは、営業の文脈で言い換えるなら「選ばれたい人に、選ばれたい形で、選ばれるようにする」こと。商品やサービスの価値が正しく理解され、その価値を本当に欲しい人に購入していただくことで、それほど欲しがっていない人に無理に売る必要がなくなり営業効率が高まるのです。

小さく始めるブランド投資のアプローチ

 ブランドをつくる手法として広く活用されてきたのは、大規模な広告施策です。テレビCMをはじめとする手法は強い認知を生み出しますが、膨大な予算と工数がかかるため、すべての企業が容易に取り組めるわけではありません。

 そこで、ここからは、もう少し小さく始められて営業効率化に役立つ「ブランド投資」のアプローチをご紹介します。

 まず思いつくのが「営業資料の標準化」です。営業担当者ごとに異なる資料を用いるのではなく、ブランドイメージや訴求ポイントを反映した営業資料の「マスタースライド」を作成し、必要に応じてカスタマイズできるようにします。これにより、資料作成の負担を軽減しながら、本当に伝えたい価値を届けられるようになります。

 次に、「営業組織全体でのメッセージの統一」も有効です。トークスクリプトや主要な訴求軸を明文化し、営業部門全体で共有することで、どの担当者が対応しても一貫したメッセージを届けられるようになります。これにより、顧客に対するブランドの印象を統一し、商談の質を向上させることが可能です。

 さらに、「展示会などのイベント時の接客設計」もブランド投資の機会として捉えられます。単にブースを出展するだけでなく、どの担当者がどの順番で対応し、見込み客にどのような体験をしてもらうかを事前に設計することも重要です。加えて、特定の課題を持つ顧客に対して、どのような訴求が最も響くのかを体系化し、接客に反映することで、イベント出展の成果を最大化できます。

 最後に、「ブランドサイトの制作」も効果的です。自社のブランドや商品の価値を正しく伝えるためのブランドサイトを整備することで、潜在顧客に対して、商談の前にブランドへの理解を促せます。営業担当者の負担が軽減されるだけでなく、説明漏れなどを防き、商談の成功率も高められます。

 このように、ブランド投資は、営業の生産性向上に寄与する戦略的な投資なのです。

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ブランド投資で生産性を向上した3つの事例

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この記事の著者

下倉 拓人(シモクラ タクト)

新卒でITベンチャーに入社し、データアナリストとして広告プロダクトのグロースを主導。その後、教育系スタートアップにてマーケティング責任者として事業成長に貢献。戦略策定から実行までの一貫した経験を活かし、現在はセブンデックスのビジネスディレクターとして、マーケティング・事業開発・ブランド戦略の支援を行う。これまでに、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/03/12 07:30 https://markezine.jp/article/detail/48606

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