アフィリエイトサイトごとの成果数、金額
アフィリエイト・プログラムの具体的な企画を考えるときに役立つのが、最後に紹介する「アフィリエイトサイトごとの成果レポート」です。重要なデータなので、少し詳しく説明します。このレポートからは、次のようなことを調べることができます。
提携サイトのアクティブ度
すべての提携サイトがリンクを張り、日々の送客や売上に貢献してくれているわけではありません。どれだけの割合のアフィリエイトサイトがリンクを張ってくれているのか、あるいは送客や売上に貢献しているのかを知り、その推移を見守る必要があります。
アクティブ度があまりに低すぎる、あるいは低下傾向にあるのであれば、何らかの対策が必要です。なにをもってアクティブ/非アクティブとするかの定義は、各社それぞれ定めればよいのですが、通常は「1 カ月で1インプレッション以上あるサイトの比率」、「1カ月で1クリック以上あるサイトの比率」(数は必ずしも1でなく、5や10でも)といった目安を使います。
インプレッションがあっても、1カ月の間に1クリックもないような状況で、はたして「アクティブに提携してくれている」といえるかどうかは微妙ですし、誰もクリックしないような場所にリンクが張ってある可能性もあります。ここは、インプレッション数ではなく、クリック数を基準にするという考え方がよいかもしれません。また、成果が1件以上あがっているサイト数の推移も追っていきましょう。
上位アフィリエイトの成果比率
下の表は、ある物販サイトについてのものです。提携サイトを1カ月間の報酬金額順に並べ、報酬金額合計に対する比率を算出しています。
「報酬累積額の比率」とあるのは、報酬金額を上位サイトから足していった金額が、同じく報酬金額合計の何パーセントになっているかという数値です。このケースでは、上位3サイトの報酬額合計が約30%。報酬額は成果金額に比例するので、上位3つのサイトだけで、全体の3割の成果をあげているという状況がわかります。さらに20位までの合計で7割となっています。

提携アフィリエイトサイト数は2,000サイトを越えているので、上位20サイトは全体のわずか1%に満たない数です。このように全体における比率を調べてみると、いかに上位アフィリエイトの成果ウェイトが大きいかがわかります。提携アフィリエイト全体への共通対応とは別に、これら上位アフィリエイトサイトには手厚い個別対応を行い、成果をさらに伸ばしてもらえるようにしたいものです。
その他(アフィリエイトごとの成果の全体傾向)
上位からずっと見ていきましょう。そして成果がいくらかでもあがっているアフィリエイトについて、成果金額等で何段階かに切り分けてグループにしてみます。切り分けることで、それぞれのグループごとに、どういった傾向があり、どういった成果アップのための支援策があるのか考えやすくなります。
商品別成果の傾向
商品別の成果が確認できるオンラインレポートがあるなら、月に1回はそれもチェックしておきましょう。ECサイト全体の売上傾向と同じなのか、違っているようなら、アフィリエイト経由で特に売れている商品にはどのようなものがあるのかといった点をチェックします。
アフィリエイト経由で目立って売れている商品があり、その理由を調べてみたところ、単に「リンクの作成画面の目立つ場所に、その商品のリンクがあった」なんていうケースもあります。また、特定の商品に関しての専門情報サイトがアフィリエイトサイトとして参加しており、そこを経由して大量に売れていたということもあるでしょう。
提携サイト向けのメールや管理画面のお知らせコーナーで「○月のアフィリエイトサイト様経由 セールスランキング」などと告知すると、何を紹介すればいいのか絞りきれていないアフィリエイトサイトにとって有益な情報にもなります。
このように、オンラインレポートは「確認する」だけでなく「どう活用するか」を考えながら見てゆくことが重要です。また、オンラインレポートでサイト名と数値をながめるだけではなく、実際にサイトを訪れ、どのようにリンクを張って紹介をしているのかを確認してみましょう。そうすることによって、相手サイトが必要としているであろう情報やリンク原稿を提供することもできますし、どういったサイトで成果があがるのかという知識を蓄積していけるはずです。その知識が、今後、提携サイトに情報発信をしてゆく際には、大きな武器になってくるのです。