テレビ番組を見て気になったワードを調べるモバイル検索ユーザー
前述のテレビCMを見て検索を行うモバイル検索ユーザーは目的のサイトが明確であるが、それ以外に、テレビ番組を見て気になったワードを検索するモバイル検索ユーザーも多い。弊社が運営する検索ポータルサイトの検索ワードや、運営サイトへの流入ワードを調査したところ、ユーザーが気になったと思われるワード(クイズで出題され、分からなかったワードなど)や、行ってみたいと思ったエリアや施設のワードで検索する傾向が見受けられた。
例えば、7月11日の「堂本剛の正直しんどい」(テレビ朝日)で紹介された二子玉川のパン屋である“藤屋ベーカリー”は Yahoo!の急上昇ワードにもランクインしているが、モバイルでも多く検索されており、“藤屋ベーカリー”で上位表示していた弊社運営のモバイルサイトへは当該ワードの検索結果ページ経由で非常に多くのユーザーが来訪した。
以上のように、テレビ番組を見たモバイル検索ユーザーの動向についても、テレビCMと同様にテレビ番組の影響を受けると言える。
テレビCM、テレビ番組の影響を受けるワードへの対策とサイトヒット状況(1)
テレビCM、テレビ番組の影響を受けるワードは、事前に予測が可能なワードと予測が困難なワードの大きく2つに分けることができる。それぞれについてサイトヒット状況と対策を紹介する。
まず、事前に予測が可能なワードとしては、主に以下のようなワードが挙げられる。
- ビッグイベントに関連するワード
- テレビCMで訴求されているワード
- 新曲、新作映画に関連するワード
これらはテレビCM、テレビ番組以外でも露出されている可能性があるため、テレビCM、テレビ番組のみの影響とは言えない。しかし、例えば花火大会などビッグイベントの名称は、事前にニュースなどで紹介される時期も予測できるため、テレビ番組の影響を受け、検索が事前に予測できるワードに該当する。では、そのような事前に予測することが可能なワードで検索をした際にどのようなサイトがヒットしているか、7月30日に急上昇ワードとして表示されていた“逗子花火大会”を例に紹介しよう。なお、逗子花火大会は7月30日に逗子市で開催された花火大会である。
上記図2の通り、乗換案内サイトや、レジャー情報サイトなど、あらかじめ特集を組み紹介していたサイトが上位に表示されており、モバイル検索ユーザーにとって好ましい検索結果状況といえる。毎年行われるビッグイベントに関連するワードでは、このようにモバイル検索ユーザーが求めているサイトが上位に表示されるケースが多い。しかし、注目度は高いがイベント時期が不定期に近いイベントの場合、モバイル検索ユーザーが求めているサイトが上位に表示されないケースがある。
“逗子花火大会”と同日にGoogle急上昇ワードにランクインした“みずがめ座流星群”を例に紹介しよう。
図3の通り、“みずがめ座流星群”での検索結果に表示されたサイトの多くが、CGMサイトの過去の情報も含むユーザー投稿(緑色地)ページと用語集サイト(黄色地)であった。なお、モバイル検索ユーザーが求めていたと考えられる「いつどうすれば見られるか」などの情報を紹介しているサイトは、iMenu公式1位のウェザーニュースのみという結果になっていた。
もともと、みずがめ座流星群が最も多く見ることができる極大日の日程はおおよそ決まっていたため、レジャー系のサイトにおいては “逗子花火大会”と同様にあらかじめ特集や紹介ページを設けておければ、上位表示ができたと考えられる。
こうした、不定期とはいえ予測が容易に可能なイベントに関連するワードに関しては、テレビだけでなく他メディアからの検索への影響も考えられるため、サイト運営企業は自社のサイトに関連しそうなトピックスに関して幅広く調査し、関連付けられそうなワードに対しては、理想的には1か月以上前、遅くとも2週間以上前には対策をされることをお勧めしたい。


