博報堂DYホールディングスは、全国15~69歳の生活者を対象に「メタバース生活者定点調査2024」を実施した。
総務省が発表したメタバース市場の予測によると、日本市場は2023年の2,851億円(見込み)から、2027年には2兆59億円まで拡大すると予想されている。このような背景から同社では、メタバース利用者の動向から今後のメタバース関連ビジネス攻略の糸口を探るため、2022年から「メタバース生活者定点調査」を実施している。
メタバース利用経験率は8.7%(前年比+0.3pt)
調査結果によると、メタバース関連サービスの認知は38.4%(前年比-2.1pt)、利用経験は8.7%(前年比+0.3pt)となった。認知率はわずかに下がっているが、利用層はゆっくりと着実に裾野を広げていることがわかった。認知率が減少した要因として、昨年度よりもメタバース関連サービスでの認知を中心としたマーケティング施策が少なかったことが影響した可能性があると、同社は見解を示した。

次に、メタバースに関するイメージでは「親しみの持てる」が10.8%(前年比+3.4pt)、「手軽・簡単」が9.7%(前年比+2.4pt)と親和的イメージが増加。一方で「オタクが多い」は7.4%(前年比ー4.0pt)、「先進的・最先端」は12.4%(前年比ー3.7pt)と減少しており、メタバースが身近な技術としてイメージされ始めていることがわかった。

利用者層では、バーチャル空間内の人間関係の重要度が増す傾向
利用層の意識として「自分にとってのメタバースの存在」について聞いたところ、「しばらく接続していないと寂しさを覚える場」が52.9%(前年比+2.1pt)と上昇する一方、「面倒くさい人間関係やしがらみを捨てられる場」は66.5%(前年比ー4.7pt)と減少。また、「リアル・現実世界の知人・友人とは関係ない人たちと交流する場所」69%(前年比ー4.1pt)も減少していた。バーチャル空間内の人間関係はユーザーにとって重要度を増しつつ、リアル・現実世界の知人・友人とはメタバースで会う機会も増えており、人間関係やしがらみが生じている傾向が見られたという。

アバター選択行動では「他人となるべく被らないアバターを選択/作成する」が19.7%(前年比+3.3pt)と上昇する一方、「自分がなりたいと思う/憧れている"異性"のアバターを選択/作成する」は16.8%(前年比ー6.7pt)と減少。メタバース空間でもコミュニティが醸成される中で、周囲との関係性を考慮したアバター選択が増えている可能性がうかがえたという。
メタバース関連の参考情報源としては「X(旧Twitter)」が32.8%(前年比+7pt)と大きく増加。また、メタバース内広告接触後の行動として「その企業のSNSをフォローした」が10.7%(前年比+5.0pt)と伸長していることも確認された。
メタバース内広告が認知~興味に好影響 SNSアカウントのフォローも増加
メタバースサービス内で企業の広告に接触した利用層の態度変容においては、「その企業の名前を知った」33.4%(前年比+1.6pt)、「その企業に興味を持った」28.3%(前年比+3.1pt)のように、認知~興味といったファネルに肯定的な影響が確認できた。

また前年からの差分を確認すると、「その企業のSNSをフォローした」10.7%(前年比+5.0pt)が最も伸長していた。これはXがメタバースの参考情報源として活用されていることとも関連して、メタバースからXなどのSNSアカウントに辿り着き、フォローが増加していると、同社は考えている。
プラットフォームごとにユーザーの特徴が大きく異なる
調査の他にも、同社は新たな試みとして博報堂生活技術研究所の「メタバース生活者ラボ」と共同で、30のメタバースサービスのユーザーペルソナをまとめた「メタバースサービス ペルソナ図鑑」を作成した。
各メタバースサービスのユーザー層について、年齢や性別等のデモグラフィック情報、好きなコンテンツ等の趣味、サービス重視点・有料サービスへの支出カテゴリー、サービス利用のきっかけや活動ジャンル、よく遊ぶワールド等を分析。
プラットフォームごとにユーザーの特徴が大きく異なることが確認されたという。今後「メタバース生活者ラボ」では、メタバースユーザーの生活圏を観測し分析することで、次世代生活者に関するナレッジを蓄積した研究を推進する方針だ。
【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査時期:2024年11月
調査地区/対象者:全国の15~69歳の男女
調査機関:マクロミル
有効回収サンプル数:事前スクリーニング調査(7万9,982サンプル)、本調査(3,600サンプル)、本調査におけるメタバース利用層(816サンプル)
分析/集計期間:エム・アール・エス広告調査
※集計結果は事前スクリーニング調査結果出現率により算出
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