※本記事は、2025年6月刊行の『MarkeZine』(雑誌)114号に掲載したものです
【最終号特集】未来を創る、企業の挑戦
─ AI市場がどう変遷しても優位性を保つ。共創を軸に競争力を高めるパナソニックグループのAI戦略
─ 東京ドームシティが大規模リニューアル、世界一のエンターテインメントシティへの挑戦
─ 大塚製薬「Vivoo」が拓く、栄養モニタリングの新市場──尿×アプリで実現する“測る”ヘルスケア
─ 「感動立国」実現に向けた、B.LEAGUEの挑戦 大改革を通じて目指す世界観とは(本記事)
B.LEAGUEが実現を目指す「感動立国」
──まず、B.LEAGUEが“2050年に創りたい世界観”として掲げる「感動立国」とはどのようなものかお聞かせください。
スポーツは、日本社会に感動をもたらす高いポテンシャルを秘めています。コロナ禍でもスポーツ観戦への需要は一定水準を維持し続け、バスケットボールにおいても2023年のワールドカップでは日本全土が熱気に包まれました。
このような感動の創出を、2050年までに全国規模で展開していくことを長期ビジョン「感動立国」として掲げました。B.LEAGUEはスポーツ団体としてバスケットボールを盛り上げることを使命としていますが、それに留まらず公益社団法人として、日本をより良くしていきたいという想いを込めています。具体的には「世界で最も愛されているリーグ」「No.1ライブスポーツエンタメ」「街づくりの核」「Dream Company, Dream Job」の4つを目指す世界観として掲げています。

2009年よりバスケットボール界にジョインし、運営、営業、放送権、プロモーション、マーケティングなどを経験。2016年のB.LEAGUEOPENINGGAMEをはじめ、日本代表戦やALL-STARGAME、FINALSなど大型イベントの全体統括や企画設計を担う。現在はB.LEAGUEの常務理事を務め、プロジェクトマネージャーとしてB.革新を率いる。
この中で特に課題意識を持っているのが「Dream Company, Dream Job」。これは、業界関係者の待遇改善を指しています。米国ではスポーツ産業は「Dream Job」と称され、適切な報酬と高いモチベーションを両立させた職業環境が確立されています。一方、日本のスポーツ界では長らくボランティア精神が前提とされ、経済的報酬を得ることが否定的に捉えられる風潮があったと感じます。B.LEAGUEはこれを変革し、スポーツキャリアの魅力を高める先駆けになりたいと考えています。このようなビジネスモデルの革新は、中期経営計画、特にその軸となる2026年からのリーグ構造の変更をともなう変革「B.革新」にもつながります。