隠れているのは「失敗せず、最適解を見つけたい」というインサイト
これらのトレンドには、令和の女の子は“失敗しない範囲”でもっと自己表現を楽しみたいというインサイトが隠れていそうです。
というのも、令和を生きる女の子たちは自分の好きなもので個性を発揮したいという気持ちはあるけれど、失敗せずに最適解を見つけたいというインサイトから、誰かが良いと言っているものを少しずつ組み合わせることで自己表現を行います。「過去に流行したもの=その時代の正解=間違いない」という安心感が平成リバイバルを起こしているとも言えます。
このインサイトはパーソナル診断の流行にも伺えます。むやみやたらに尖った自己表現をするのではなく、「似合う」という保証の中で自己表現をする――「個性は出したいが、失敗・悪目立ちしたくはない」というインサイトが隠れているのです。
ドラマコンテンツのリバイバルブームが起きているのも、過去にヒットして「間違いなく面白い」という安心感と、昭和や平成だからこそできた少し過激&ベタな表現・演出が「新鮮で面白い」と若者に刺さっているからでしょう。
「平成」が1つのジャンルに?
今後の未来予想としては、平成ブームは一過性のブームではなく、1つのジャンルとして定着していくものと推察します。
サブスクやSNSなどにより、誰もが時代を超えて過去の作品や情報に触れられるようになったことで、新しい・古い関係なく「本質的な良さ」により目が向けられるようになっています。そのため、「懐かしい」「古臭い」といった感覚が薄まり、女の子たちが時代を横断して各々の価値観にマッチするものを見つけるようになっていくかもしれません。周りの流行にとらわれず、自分の「好き」に素直になれたらもっと毎日が楽しくなりそうです。
平成をリアルタイムで生きていた大人たちも、当時の自分たちのトレンドが若者に受け入れられていることを好意的に思う人が多く、今後リバイバルの波は上の世代にも派生していくでしょう。当時の流行を今の女の子が今らしく取り入れ、大人も当時の流行に回帰することで、世代の隔たりなくお互いの良いところを取り入れ合う世代間交流のような循環が起こっていくと言えるかもしれません。
今後も、意外なところからどんどん新しいブームを作り出す令和女子の動きに目が離せません。電通 GIRLʼS GOOD LABは、「女の子」のインサイトに特化して研究をする社内横断チームです。女の子たちがいいね! と思える社会を作るべく活動しています。これからはMarkeZineウェブで毎月気になるトレンドをお届けしていきますのでお楽しみに!

本記事のイラストは、電通グラレコ研究所が描いたものです。電通グラレコ研究所は、グラフィックレコーディングを 中心としたビジュアライゼーションサービスの提供と研究を目的とする電通グループ横断チームです。