顧客への共感を重視「Double Your Impact」キャンペーン
━━顧客向けのブランド広告についてもお聞かせください。
顧客に対するブランド広告でも、同様に「共感」を重視したアプローチを取っています。
最近展開した「Double Your Impact」キャンペーンは、企業のCIOが抱える課題に焦点を当てました。現代のCIOは、日々のIT運用管理と、将来に向けた戦略的技術導入という、相反する要求を同時に求められています。AIの導入、新技術への投資、システムモダナイゼーションを推進しながら、既存システムの安定運用も維持しなければならない状況です。

このキャンペーンでは、「CIOがもう一人いればいいのに」という発想から、双子を起用したクリエイティブを制作しました。「インパクトを2倍にする」というメッセージで、キンドリルが現在の運用と未来の戦略、両方をバランス良くサポートできることを表現しています。
このクリエイティブは、「思わず立ち止まって見てしまう」独創性を追求しました。結果として期待以上の成果も上げられています。
AI時代も貫く「ヒューマンファースト、ヒューマンラスト」
━━生成AI時代のマーケティングについて、どのような展望をお持ちですか?
AIは飛躍的な進化を見せています。生成AIからマルチモーダルAIまで、毎日のように新しい技術が登場している状況です。
キンドリルでは、AIを長年活用してきた実績があります。オープン統合プラットフォーム「Kyndryl Bridge」にもAI機能が組み込まれています。重要なのは、新技術への対応だけでなく、既存業務の効率化やスピード向上にもAIを活用することです。
お客様からは、AI活用に関する相談を頻繁に受けます。私たちはお客様よりも先を行く必要があるため、AIを積極的に受け入れきましたし、今後もお客様の課題解決ツールとして活用していきます。
具体的な取り組みとして、2025年5月にイギリスのリバプールでAIイノベーションラボを設立しました。お客様と共同で、AIを活用したスキル向上の加速化に取り組んでいます。
ただし、私たちのマーケティング哲学は「ヒューマンファースト、ヒューマンラスト」です。AIを活用しながらも、すべてのプロセスの始まりと終わりには「人」が存在するという考え方を貫いていきます。
━━今後の展望をお聞かせください。

私たちの目標は明確です。「お客様に選ばれるパートナー」と「従業員に選ばれる企業」の両立を実現することです。
お客様に選ばれるために、現在の課題を深く理解し、同時に未来の可能性についても、ともに戦略を構築していくパートナーでありたいと思います。同時に、従業員に選ばれる企業であるために、優秀な人材にとって魅力的な働きがいのある企業となり、現在の従業員がプライドを持って働ける環境を提供し、市場からも「ここで働きたい」と思われる企業文化を維持発展させていきます。
このようにお客様と従業員、双方にとって選ばれる存在、価値ある存在であり続けることで、サービス企業として持続的な成長を続けていきたいと考えています。