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『MarkeZine』(雑誌)

第114号(2025年6月 最終号)
特集「未来を創る、企業の挑戦」

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業界キーパーソンと探る 注目キーワード大研究

キンドリルのグローバルCMOに訊く、ブランド成長につながる組織文化と構築の鍵

顧客への共感を重視「Double Your Impact」キャンペーン

━━顧客向けのブランド広告についてもお聞かせください。

 顧客に対するブランド広告でも、同様に「共感」を重視したアプローチを取っています。

 最近展開した「Double Your Impact」キャンペーンは、企業のCIOが抱える課題に焦点を当てました。現代のCIOは、日々のIT運用管理と、将来に向けた戦略的技術導入という、相反する要求を同時に求められています。AIの導入、新技術への投資、システムモダナイゼーションを推進しながら、既存システムの安定運用も維持しなければならない状況です。

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「Double Your Impact」キャンペーンの広告クリエイティブの一例

 このキャンペーンでは、「CIOがもう一人いればいいのに」という発想から、双子を起用したクリエイティブを制作しました。「インパクトを2倍にする」というメッセージで、キンドリルが現在の運用と未来の戦略、両方をバランス良くサポートできることを表現しています。

 このクリエイティブは、「思わず立ち止まって見てしまう」独創性を追求しました。結果として期待以上の成果も上げられています。

AI時代も貫く「ヒューマンファースト、ヒューマンラスト」

━━生成AI時代のマーケティングについて、どのような展望をお持ちですか?

 AIは飛躍的な進化を見せています。生成AIからマルチモーダルAIまで、毎日のように新しい技術が登場している状況です。

 キンドリルでは、AIを長年活用してきた実績があります。オープン統合プラットフォーム「Kyndryl Bridge」にもAI機能が組み込まれています。重要なのは、新技術への対応だけでなく、既存業務の効率化やスピード向上にもAIを活用することです。

 お客様からは、AI活用に関する相談を頻繁に受けます。私たちはお客様よりも先を行く必要があるため、AIを積極的に受け入れきましたし、今後もお客様の課題解決ツールとして活用していきます。

 具体的な取り組みとして、2025年5月にイギリスのリバプールでAIイノベーションラボを設立しました。お客様と共同で、AIを活用したスキル向上の加速化に取り組んでいます。

 ただし、私たちのマーケティング哲学は「ヒューマンファースト、ヒューマンラスト」です。AIを活用しながらも、すべてのプロセスの始まりと終わりには「人」が存在するという考え方を貫いていきます

━━今後の展望をお聞かせください。

画像を説明するテキストなくても可

 私たちの目標は明確です。「お客様に選ばれるパートナー」と「従業員に選ばれる企業」の両立を実現することです。

 お客様に選ばれるために、現在の課題を深く理解し、同時に未来の可能性についても、ともに戦略を構築していくパートナーでありたいと思います。同時に、従業員に選ばれる企業であるために、優秀な人材にとって魅力的な働きがいのある企業となり、現在の従業員がプライドを持って働ける環境を提供し、市場からも「ここで働きたい」と思われる企業文化を維持発展させていきます

 このようにお客様と従業員、双方にとって選ばれる存在、価値ある存在であり続けることで、サービス企業として持続的な成長を続けていきたいと考えています。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/07/08 08:00 https://markezine.jp/article/detail/49194

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