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第114号(2025年6月 最終号)
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世界動向の先を読む「もう1つの視点」

D2C黒字化のツボ:Warby Parkerの店舗×保険に学ぶ、D2Cの新しい形

Warby Parkerと、日本の主要メガネ販売企業の現在地

 最後に、Warby Parkerの事業規模およびパフォーマンスを確認しておこう。参考として、日本の主要メガネ販売企業と比較して整理する。

・企業価値:約3,000億円(21.5億ドル)

(参考 ジンズHD:2,120億円、Zoff:670億円、Japan Eyewear Holdings:590億円)

・純利益(2024年末):約1,080億円

・営業利益(2024年末):▲33.4億円(▲2.0億ドル)

・アクティブ顧客数(2025年1Q):257万人

・年間顧客単価(ARPU):約43,000円(310ドル)

・北米店舗数(2025年1Q):287店舗(米国282、カナダ5)

(参考:日本国内店舗数 ジンズ:509店舗、Zoff:305店舗)

・1店舗あたりの年間収益(2024年末):約2億8,000万円(200万ドル)、利益率約35%

 米国企業と日本企業を単純に比較するのは難しいものの、Warby Parkerには日本の同業他社を上回る企業価値を持つ。これには、アクティブ顧客数(現在の推定公表が257万人)と、顧客単価(ARPU約43,000円)が示す将来的な成長性への期待値と評価が反映されていると読み解ける。

 もっとも、Warby Parkerが既に盤石な経営基盤を築けているわけではなく、2021年NYSE上場時と比較して時価総額は半分以下の水準に留まっている。今後、医療領域でのビジネスは運用の複雑性も増すだろう。これらを含めて、大きなビジョンプラットフォームとして価値を生んでいけるか、注目したい。

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この記事の著者

榮枝 洋文(サカエダ ヒロフミ)

株式会社ベストインクラスプロデューサーズ(BICP)/ニューヨークオフィス代表
英WPPグループ傘下にて日本の広告会社の中国・香港、そして米国法人CFO兼副社長の後、株式会社デジタルインテリジェンス取締役を経て現職。海外経営マネジメントをベースにしたコンサルテーションを行う。日本広告業協会(JAAA)会報誌コラムニスト。著書に『広告ビジネス次の10年』(翔泳社)。ニューヨーク最新動向を解説する『MAD MAN Report』を発刊。米国コロンビア大学経営大学院(MBA)修了。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/06/26 09:30 https://markezine.jp/article/detail/49404

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