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業界別SNSマーケティング戦略━━具体的なTipsで学ぶ成功のヒント

着こなし投稿だけじゃない!買う理由もUGCも生まれるアパレルブランドのSNS活用術

今買う理由もUGCも生まれる!ライブ中/ライブ後のTips

画像を説明するテキストなくても可
©MrAshi - stock.adobe.com

 続いて、本番となるライブ中、そしてライブ後に意識すべき点です。

ライブ中

 ライブ視聴者は途中から参加するケースも多く、離脱もしやすいため、冒頭で配信のテーマや目的を固定コメントで明示すると効果的です。商品紹介では、特徴やサイズ感、価格などのポイントを、できるだけ具体的かつわかりやすく伝えましょう。スマートフォン画面でも商品の質感や動きが伝わるよう、距離感やカメラワークを工夫することも重要です。

 また、コメントや質問を積極的に呼びかけ、視聴者とのやりとりを増やすことで、ライブへの参加感が高まり、離脱率の低下にもつながります。さらに、ライブ限定のクーポンや特典を用意することで、「今買う理由」を明確に打ち出せます。

 そして、何より大切なのは、出演者がその商品を本当に“好き”であること。それが視聴者に伝わることで、購入を迷うユーザーの背中を押す力になります。

ライブ後

 配信が終わったら、録画を活用して視聴機会を広げましょう。ライブで紹介した商品の投稿や、出演スタッフのコーディネート紹介といった発信にうまくつなげていくことで、一過性で終わらせず、継続的な関心や購買意欲の喚起につなげられます。

 スタッフアカウントとの共同投稿にすれば、UGC的な広がりも期待できます。「ライブを見た」「あの人が紹介していた服を買った」といった投稿が自然に生まれることで、共感ベースのUGCが派生しやすくなります。

 また、視聴者に感想を募る投稿を行えば、次回への改善点が得られるだけでなく、「参加して良かった」と感じてもらえる場にもなります。

商品発売前は、UGC創出よりも広告の活用がおすすめ

 ここまでは、主に「商品購入後」に生まれるUGCを軸にした施策をご紹介してきました。最後に、商品発売前の段階で、SNSではどのようなアプローチが考えられるかを見ていきましょう。

 商品がまだ販売されていないタイミングでは、UGCを活用して話題化するのが難しい場面も多く、視点を切り替える必要があります。InstagramやTikTokといった、写真や動画の投稿を前提としたSNSでは、手元に商品がない状態でUGCが自然に生まれることはほとんどありません。「欲しい」と思っていても、画像や映像がなければ投稿には至りづらく、購入前の情報共有にはあまり向いていないのが実情です。

 X(旧Twitter)のようにテキストのみで投稿できるSNSであれば、商品発売前の口コミが生まれる可能性はあります。ただしそれも、人気キャラクターとのコラボや期間限定販売など、自然と語りたくなる話題性やニュース性がある場合に限られます。どんなに魅力的な商品であっても、ユーザーが自発的に投稿するには、「語りたくなる動機」があることが重要です。

 こうした背景を踏まえると、商品発売前のフェーズではUGCの自然発生を狙うよりも、広告を活用して知ってもらう・覚えてもらう機会を意図的に作る方が効果的と言えます。InstagramやTikTokで繰り返し広告を目にすることで、「最近よく見る」「気になる」といった印象が蓄積され、いざ発売されたときの購買やUGC投稿の後押しになります。その結果、発売後の購買やUGC投稿を後押しする土台となっていきます。

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 本稿が多くのアパレルブランドにとって運用の参考になれば幸いです。

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この記事の著者

北原 一輝(きたはら かずき)

株式会社ホットリンク ソーシャルメディアコンサルティング本部 副本部長/ソーシャルメディアコンサルティング推進部 部長

広告代理店にて大手ブランドの広告からイベント、プロモーションまで総合的なコミュニケーションプランニングを多数手がける。2021年にホットリンクに入社し、幅広い業界のコンサルティングやI...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/07/04 08:00 https://markezine.jp/article/detail/49423

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