あらゆる商品に「発見」のチャンス
TikTok Shopはどのような商品や企業と相性が良いのだろうか。邱氏は「有名ブランドもノンブランドも、規模の大小も関わらずすべてのブランド・企業に発見されるチャンスがある」と語る。これは、TikTok Shopが「ユーザーが好きなものと出会える仕組み」だからだ。
カテゴリーではなくユーザーの興味・関心が軸となるため、コンテンツとユーザーがマッチしさえすれば、たとえ予算規模が大きくない中小企業(SMB)であっても、新たな顧客に発見され、全国規模のリーチを実現できる可能性を秘めている。
実際に海外では、TikTok Shop上で「毎秒1個の美容商品が売れている」という事例も出ており、コンテンツの質が売上に直結する傾向が示されている。いいね数やコメント数など、エンゲージメントが高いコンテンツはTikTok Shopでも売れやすい傾向が既にグローバルで確認されており、EC機能であっても、良いコンテンツを作ることが成功の鍵となる。
「日本に根ざしたサービス」を目指し、安全性とパートナーシップを強化
TikTok Shopは、安全で信頼できるショッピング体験の提供を最優先事項としている。18歳未満の購入・販売を禁止するなど、環境整備を徹底。これまでに全世界で約10億ドルを安全性のためのツール、技術、人材に投資し、偽造品や詐欺行為などの悪質な行為を防止している。
たとえば商品掲載前後については、厳格な出店審査はもちろん、出品時にもTikTok Shopのポリシーとコミュニティガイドラインに厳格に準拠を求め、出品後も機械と人力の両面からチェックが行われる。また、日本の法令に準拠したデータポリシーなど、多角的な安全対策が講じられる。

TikTok Shopは、パートナー連携を通じてエコシステムを活性化することも重視している。店舗運営やコンテンツ制作、LIVE配信や広告運用などを通じてブランドや企業のビジネス成長を支援するための公式パートナーであるTikTok Shop Partner(TSP)をはじめ、様々なパートナー制度を用意している。
さらに、国内の配送サービスや決済サービス、OMS(受発注システム)など多様なサービス(PayPayなど)やアプリとの連携を既に整えており、今後も拡大していく方針だ。
邱氏は、日本のEC化率がグローバルと比較してまだ低い現状を踏まえ、「オンラインとオフラインを融合した新しい価値創出」に大きなチャンスがあると考えを示す。TikTok TikTok Shopは、「発見」の力を通じて、日本のユーザーにパーソナライズされた新しいショッピング体験を提供し、「日本に根ざしたサービスへと発展させていく」ことで、その存在感を確立していく構えだ。
また、オフラインが強い日本の市場特性を踏まえ、ライブ配信を活用した地方創生への貢献など、日本ならではの展開も視野に入れているという。TikTokが新たにもたらす「ディスカバリーEコマース」が与える影響を引き続き注視したい。