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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Autumn

物価高時代の消費者心理を読み解く!生活者1万人調査が明かすインサイトと、施策に活かせる5つのポイント

キーワードは「推し活」!価格高騰下の消費意識

 価格が高騰している中で「とにかく安いものを買えばいい」という意識が増えているかというと、実際はそうではない。増加しているのは「コストパフォーマンス意識」である。価格が品質に見合っているかをよく検討し、商品を買う前に情報を集めるという「考えて買う、選んで買う」行動が増えている。こだわりの分野への選択と集中によって価格高騰に対処する消費者が多くなっているのだ。

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 このような「こだわり消費」は、「推し活」の影響が大きい。推しを持ち、推しにお金や時間をかける人は圧倒的に女性、特にZ世代の女性に顕著である。同じ映画を10回も20回も見たり、キャラクターグッズを購入したりして買い支える行動が見られる。自分の趣味や推しを中心とした小さなコミュニティ内で盛り上がれば満足するため、流行にこだわらず、気の合った仲間さえわかってくれれば良いという価値観になっている。

 その結果、スモールコミュニティ内に閉じた消費行動となり、以前のように「皆が同じ格好をしている」という現象は最近の日本では見られなくなっているという。

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消費トレンドが示す、マーケティングの5つのポイント

 今回紹介した消費トレンドを基に、松下氏はマーケティングの視点から以下の5つのポイントを提示した。

(1)欲しいものにはお金を払う。“聖域”として買ってくれる顧客を探し出す

 趣味の海外旅行のために昼食は手作り弁当を持参し節約するなど、使いたいところとそうでないところの区別を明確にしている人は多い。お金がないと言いながらも、自分の“聖域”には支払う意識を持っていることがわかるだろう。企業にとって重要なのは、自分の商品やサービスを聖域に入れてくれる人をいかに見つけ、つながるかである。

(2)“推し”パワーを借りる。コンテンツコラボはやはり強い

 国内だけでなく、インバウンドの観点でも「推しパワー」は重要である。消費者は推しにお金を払うことで達成感、つながり意識、生きがい、元気といった情緒的なリターンを得られる。推し活は心の栄養として消費の聖域になりやすく、消費を娯楽化してパフォーマンスアップする仕掛けとして推しパワーは有効である。

(3)流行の小粒化。“多様性”を追いかけるか、“思い”を訴求するか

 規模の小さい「界隈消費」が進む今、皆に広く刺さる戦略を取るのは難しい。そこで2つの方向性が考えられる。一つはAIなどでカスタマイズを進めて多様性を追求する方法、もう一つは「この指とまれ型マーケティング」として、創り手の思いを明確に打ち出し、賛同する人を募る方法だ。

 「『顧客の声を取り入れた開発や改善を行うことで、多様なニーズに合った多くの選択肢を提供している商品・サービス』と『企業・ブランドの姿勢や開発の意図が強く打ち出され、どのような人のどのようなニーズ向けかがわかりやすい商品・サービス』のどちらを選びたいかをアンケートで聞いたところ、結果は6対4程度と拮抗しています」(松下氏)

(4)インバウンド消費者理解でターゲットを広げる

 日本の消費者だけに固執せず、世界に目を向けた消費者のグローバル化を考える必要がある。そのためには、海外の消費者を理解することが大切だ。保守的で無頓着な傾向が強い東京の消費者とは異なり、たとえばインドは新性と先進性を重視、ASEAN諸国は品質重視の傾向がある。

(5)「マーケティングされたくない」消費者をマーケティングするには

 デジタルネイティブのZ世代は口コミやユーザーレビューを重視するが、「いいね」や星の数だけでなく偏りを見たり、低評価の内容が致命的な問題なのか些細なレベルなのかを確認したりしている。マーケターには口コミ促進を仕掛けるよりも、自然に言いたくなる、シェアしたくなる、考察したくなる要素を組み込むことが求められる。

 最後に松下氏は「今回ご紹介した調査結果がマーケターの皆様のお役に立てば幸いです」と述べ、セッションを締めくくった。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/12/03 08:30 https://markezine.jp/article/detail/49853

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