急成長を支えるhacomonoの組織哲学
――まず、hacomonoの事業内容と平田様、樋口様の役割についてお聞かせください。
平田:hacomonoは、フィットネスクラブ、運動スクール、公共運動施設を中心としたウェルネス領域向けのバーティカルSaaS企業です。会員管理システムを起点に、入退会、入退館、決済、レッスン予約など、店舗と会員の接点をDXするプロダクトを提供しています。私はCOOとして、マーケティング、インサイドセールス(IS)、フィールドセールス(FS)、カスタマーサクセス(CS)という、いわゆるTHE MODEL型の組織体制全体をマネジメントしています。
樋口:インサイドセールス部はマーケティングが獲得したリードをFSに有効商談としてパスしていくことがミッションです。商談数を増やすことはもちろんですが、いかに受注につながる商談を作れるかを重視しています。現在、私はスクール領域の中堅、エンタープライズのお客様を中心に担当しています。
――hacomono様には独自の組織哲学があるとうかがっていますが、その特徴を教えてください。
平田:当社は事業開発期にスピードを重視し、意図的に属人性を上げています。最初から仕組み化しようとするとスピードが出ないため、推進力のあるメンバーにどんどん仕事を振って属人的に突き進んでもらいます。ビジネスとして基礎が固まったら、次に構造化や仕組み化が得意なメンバーに環境を整えてもらいます。仕組み化フェーズになる頃には、新規領域を開拓した人材はまた次の開拓を始めるという流れです。
この組織を支えているのがBizOpsチームです。プロダクトドリブンで成長するには、縦割り組織や特定領域で閉じず、横断での管理が重要です。たとえばマーケやISが創出したリードがどこから来たものかを把握し、どれだけFSが商談化し、案件化・受注に至っているかを見ていく必要があります。
当社では早期からBizOpsチームを強化し、組織横断で判断するカルチャーが強いのです。さらに、マーケティング・IS・FSを一人のVPが管掌しているため連携もスムーズです。
成長フェーズで変わっていくリードの「質」への対応が必要だった
――『イメディオ』を導入された背景を教えてください。
樋口:『イメディオ』を導入したのは約2年前の2023年です。シリーズC調達の半年後でした。当時プロダクト導入店舗数が3,000店舗を超え、いわゆるキャズムを超えたタイミングでした。その頃、リードの質の変化を感じていました。
以前は問い合わせ時点で温度感の高い「導入検討リード」が多かったのですが、認知が広がったことで「情報収集段階で、まずは資料を見てみたい」というお客様が増え、これまでのように連絡しても接続しづらいという問題が出てきたのです。
それまでインバウンドがメインチャネルだったため、接続率の低下は商談数の伸び悩みに直結しました。つまり、チャネルの拡大と、既存チャネルの質の向上を図る必要があったのです。後者に対応するために『イメディオ』を導入したという経緯です。
平田:当時hacomonoはT2D3を超えるスピードで成長していました。『イメディオ』導入前もしっかりと事業は伸びていたのですが、それ以上に会社の目標が高かったのです。そのため、どんどん新しい施策を増やしていく必要がありました。リードの質の変化はマーケットが変わったというより、リード数を増やしていく中で多少、質も変わってきたという印象でした。
商談数160%増を実現し、KPIも量から質へ
――具体的に『イメディオ』導入によって、どのような成果がありましたか?
樋口:2年間で商談数が約160%増加しました。特に、パートナーセールスや、展示会・ホワイトペーパーといった「マーケティング施策」経由のチャネルが伸びています。マーケティング施策では、すべてのリードに等しく対応するのは難しいので、『イメディオ』で電話アポの打診も行うなど、ISがより商談・受注傾向の高いリードに注力できる体制としました。

以前はコール数を指標として見ていましたが、今は資料請求やセミナー申込など、顧客のアクションを起点とした「インタレスト」という自社独自の指標を導入しています。インタレストを用いることで、お客様の行動ベースでISのアクションを管理が可能となり、今まで以上にアプローチの抜け漏れをカバーできるようになりました。マーケティングとしても、いかに商談・受注につながるインタレストを発行できるかという重要な視点が生まれました。
また、ISが日々試行錯誤する中で、『イメディオ』があることで、日程調整済み、電話アポ済みなどを分け、アプローチの優先度をつけることができます。結果として、より商談化率・受注傾向の高いお客様にアプローチできるようになり、リソース配分の最適化が実現しつつあります。
平田:当社では業態軸、事業規模軸、チャネル軸の3つを組み合わせて、1商談あたりの期待MRR(月次経常収益)を算出しています。これによって、どこにどれだけ時間をかけるべきか、定量的に判断するわけです。『イメディオ』を用いることでISの生産性が上がり、リードが増える中でも人を増やさずに済んでいます。経営目線で言えば、IS部門に対して、マーケティング部門のようなコスト計算ができるようになったのはありがたいですね。
土日や夜間の機会損失を防ぐべく、『イメディオ』を導入
――成果につながった取り組みについてうかがっていきたいと思います。成長が早ければ使い方の変化も速いかと思いますが、『イメディオ』導入初期の活用方法を教えてください。
樋口:我々のお客様がジム・運動施設を運営されているので、夜間や土日のお問い合わせも多く、自分たちだけではすべてのリードに対応しきれない部分がありました。『イメディオ』を導入し、資料請求時にすぐポップアップが出て、タップ数や入力を最小限にしながら商談の日程調整ができる仕組みを構築しました。土日や夜間・早朝に入ってくるリードからすぐに商談が設定できるようになったのは大きな変化でした。
浜田: BtoCの店舗経営やスモールビジネスの企業様は、土日夜間ほど経営者の方が資料請求をされることが多いので、このタイミングを逃さないことが特に重要です。hacomono様は当社のお客様の中でも、土日夜間のコンバージョン率が高いのが特徴だと感じます。
『イメディオ』の商談オファーのポップアップを出して、サービス検討中の見込み顧客がワンクリックで商談を確定できる仕組みをうまく活用いただけました。
「ISの電話アポ」という新たなタッチポイントの創出
――『イメディオ』の活用はその後どう進化したのでしょうか?
樋口:当初はフィールドセールスが行う1時間の商談の日程調整をしていましたが、ここ1年ほどはISが行う15分程度の電話説明のアポの設定にも『イメディオ』を使っています。これはお客様の「まずは概要を知りたい」というニーズに応える狙いがあります。同時に、社内的には「FSが対応すべき商談」と「ISが対応すべき情報提供」を明確に振り分け、リソースを最適化したいと考えたためです。
加えて、『イメディオボックス』というサービスの活用も開始しています。お客様が資料を閲覧したタイミングで営業に通知が来たり、どのページを何秒見ているかを把握できたりします。お客様の関心が高まっているタイミングでアプローチできるため接続率が高いです。また、お客様の困りごとに対する準備をした上でコミュニケーションがとれるため、商談につながる確率が高くなりました。
浜田:『イメディオボックス』は、お客様が資料を読んでいる瞬間にポップアップが出て商談の提案をしたり、どのくらい資料が読み込まれたかなどをデータ化して営業担当にお届けしています。MAツールとも連携できるので、MA側で設定したターゲット顧客がWebサイトを訪問した時だけポップアップを出すことも可能です。hacomono様はBizOpsチームが強く、これらをご提案してすぐに実装いただきました。
成長を加速させる次の一手を打ち続ける
――最後に、今後の展望を教えてください。
平田:hacomonoがより大きく成長していく上では、さらなる生産性向上がテーマです。スケールと効率を両立させていくために、仕組み化フェーズでimmedioさんがいてくださることが助けになっています。また、当社は様々な取り組みを先進的に行っていきたいと考えているため、『イメディオ』の新機能などをすぐにお伝えいただけるのはありがたいですね。

樋口:インサイドセールス部としては、引き続きISメンバーが商談化率の高いリードにアプローチを集中できる体制を、『イメディオボックス』などimmedioさんの新機能を活用しながら実現していきたいです。
浜田:AI等を活用して受電が効率化されるようになり、電話がつながらない時代になってきた中で、あらゆるチャネルでの成長に寄り添っていきたいですね。成長にともなってクライアント様だけでなく外部パートナー様への教育や対応も必要になってくるかと思います。たとえば、パートナー様が活用するヒアリングフォームを『イメディオ』で作り、その情報を用いてアポ予約のカレンダーをWeb上で表示させたり、『イメディオボックス』でパートナー様向け資料を提供し、理解度等を把握したりする使い方も増えています。
企業の成長とともに必要なチャネルは変わっていきますので、そこに伴走できればと思います。

