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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Spring

CXマーケターの革新事例を探る(AD)

「どうせ使いこなせない」からの脱却。丸井がKARTEで築いたリピート顧客比率二桁増と自走文化

 リッチなマーケティングツールを導入したものの、担当者が十分に使いこなせず無用の長物と化す──そんな体験談を聞いたことがある。カスタマーサクセスのサポートを受けながら活用しようにも「他のメンバーにノウハウが広がらず、スキルが属人的になってしまう」「そもそも自社で描くべき顧客体験が定まっていないので活用しきれない」など、成果創出までの道のりは険しい。ファッションビル「マルイ」「モディ」やECサイト「マルイウェブチャネル」などを運営する丸井では、プレイドのCXプラットフォーム「KARTE」を2024年に導入。同社が提供するプロフェッショナルサービス「PLAID ALPHA」をあわせて利用することにより、成果創出に向けて自走できる組織づくりに成功した。MarkeZineでは関係者を取材し、そのプロセスに迫った。※肩書はすべて2026年3月31日現在のものです

ツールを使いこなせる人材が育ちにくい理由

──丸井では精緻な1to1コミュニケーションの実現を目指し、2024年にマーケティング基盤を刷新したとうかがいました。ツールのフルリプレイスを決断した背景には、どのような課題やボトルネックがあったのでしょうか?

新津:元々使っていたMAツールを十分に使いこなせていなかったのです。当社では、メンバーのチャレンジと成長を促す目的で、一定期間での異動を奨励しています。メンバーが様々な部署を経験できる一方、部署内にノウハウが定着しにくく、スペシャリストが育ちづらい側面もありました。

丸井グループ 執行役員 丸井取締役 EC事業本部長 新津 達夫氏
丸井グループ 執行役員 丸井取締役 EC事業本部長 新津 達夫氏

新津:自社ECサイト「マルイウェブチャネル」でEC専業の他社と競うにあたり、コミュニケーションのパーソナライズは避けて通れません。サイトを訪れた方に適切な内容とタイミングで接客を行える状態が理想でした。

 これまでは、MAツールの運用ノウハウを身に着けたメンバーが異動してしまうと、他のメンバーに一から学習してもらう必要が生じ、接客の高度化までなかなか手が届かなかったんです。「もっと直感的に操作できるMAツールなら、皆が運用ノウハウをマスターできるのでは」と考え、フルリプレイスを決めました。

──CXや顧客データ活用に強みを持つプレイドの「KARTE」に白羽の矢が立ったそうですが、導入の決め手を教えてください。

新津:他社プロダクトとの比較やPoCの結果、直感的なUIやコストパフォーマンスの高さが際立っていたためです。ただ、機能がリッチなKARTEを導入するだけでは以前の二の舞になってしまいます。そこで、プレイドのスペシャリストが当社に常駐しながら運用の内製化までコミットしてくれる「PLAID ALPHA」の存在を知り、KARTEを導入するならPLAID ALPHAの利用が不可欠だと感じました。

単なるツールの運用代行ではない

──PLAID ALPHAとはどのようなサービスなのでしょうか?

千菅:PLAID ALPHAは、顧客体験の変革を「戦略」と「組織」にまで広げて実現するプロフェッショナルサービスです。

プレイド Professional Services Manager 千菅 一真氏
プレイド Professional Services Manager 千菅 一真氏

千菅:当社がKARTEをリリースしてから約10年が経ちました。10年間でプロダクトのラインナップや機能が充実し、カスタマーサクセスのチームがクライアント企業の活用をサポートする体制も盤石になりました。ただ、カスタマーサクセスのミッションはあくまでクライアント企業の状況を把握して、KARTE活用のステップを適切に踏めるよう伴走することです。一社一社のクライアント企業に入り込んで、課題を直接解決しにいくようなアプローチではありません。

 PLAID ALPHAは、プロダクトの費用とは別にクライアント企業から費用を頂戴し、個社ごとの具体的な課題を解決するプロジェクト型のサービスです。KARTEの導入や、丸井様のように他社プロダクトからのリプレイスの支援はもちろん、導入後の内製化やグロースの支援まで担います。

 当社はKARTEの提供企業であると同時にCXのプロフェッショナルでもあります。そのため、支援内容はプロダクトの活用支援にとどまりません。「このサービスではどのような体験をお客様に提供するべきか」「その顧客体験を実現するためには、どのようなUI/UXをデザインするべきか」などの問いを立て、体験そのものを設計するサポートも行っています。

約9ヵ月間の常駐でKARTE活用施策の効果を証明

──KARTE導入~内製化までの歩みを教えてください。

新津:過去の反省を踏まえ、当社のEC事業本部をKARTEの専任チームとし、最初は狭く深くツールの使い方を習熟する方針にしました。メンバーの部署異動が発生しても、新しく来たメンバーに教えられる体制を築きたかったのです。

 内製化の支援に先んじて、千菅さんには約9ヵ月間EC事業本部に常駐していただきました。お一人でKARTEを活用しながらマルイウェブチャネル上で施策を実施し、各種の数値が向上することを証明してくださったんです。メンバーに実際の活用方法と効果を間近で見てもらい、彼らの理解を深める狙いがありました。

千菅:私が施策を実施した後に、約7ヵ月間の本格的な内製化プロジェクトがスタートしました。KARTEを中長期的かつ適正に運用いただくこと、事業成長のためにKARTEを活用いただくことがゴールでした。

 丸井様における内製化のボトルネックは大きく二つありました。一つはルーティン業務が多く、皆さんのリソースが圧迫されていたこと。もう一つは頻繁な異動による人材の流動性の高さです。

 前者の解消に際してはメンバーの皆さんの意識が元々高く、KARTEを積極的に触りながら自動化を進めることで、ご自身のリソースを空けてくださいました。プロダクトの使いやすさが貢献できた部分でもあると考えています。

 後者の解消の鍵を握るのは、メンバーの習熟スピードでした。たとえば同じポジションに2年しか就かない場合、KARTEの運用をマスターするのに1年を要していては、チームがリソースを上手く活かせず、本人も手ごたえを感じにくいでしょう。一人前の運用者になるまでの期間をどれだけ短縮できるかが重要でした。

 そこで私が作成したのが「スキルチェックシート」です。一人前とはどのような状態を指し、そこに至るためにはどのようなインプットが必要なのかを示したものです。私がジョインしたタイミングでEC事業本部には5名のメンバーがいらっしゃったのですが、お一人おひとりの習熟度は当然異なります。毎週1on1を実施し、スキルチェックシートを見ながらその方の現在地やつまずいているポイントを明確にしました。

リピート顧客比率は前期から二桁成長!

──内製化のプロセスにおいて、具体的にどのような施策に注力しましたか? 得られた成果もあわせてお話しください。

油木:サイトの登録率、コンバージョン率、客単価、リピート利用など、重要指標の担当者ごとに施策を考えてもらいました。KPIに効く施策を各メンバーが考えて、1on1で千菅さんと相談しながら施策を練り上げていく流れです。

丸井 EC事業本部 シューズ・Ui開発課 課長 油木 愛子氏
丸井 EC事業本部 シューズ・Ui開発課 課長 油木 愛子氏

油木:特に効果が表れたのはリピート利用でした。再来訪時にネクストアクションを促すような情報提供を意識しました。お客様一人ひとりの状況に応じて、商品を探しやすくするコミュニケーションを行った結果、リピート利用してくださるお客様の構成比率が前期から二桁伸長したんです。

千菅:EC事業本部の中には、元々マーケティングツールの使い方に長けたメンバーもいらっしゃれば、ジョインしたばかりで経験が浅い方もいらっしゃいます。前者の方には自身の注力KPIを伸長するための施策を考えていただき、その効果を最大化するためのアイデアを私も一緒に考えました。後者に対しては技術的なハードルを解消しつつ「この接客を受けたお客様がどういう行動を起こすとうれしいのか」という5W1Hを整理して、ベストな顧客体験を一緒に描きました。

仮説の精度向上や「働きがい1位」などの副次効果も

──丸井として、内製化の成功を実感できていますか?

油木:以前は施策を考える際に自身の経験値に頼らざるを得なかったのですが、1on1を通じてPDCAサイクルの回し方が身に付き、チーム内で積極的に仮説の壁打ちをしたり議論を交わしたりできるようになりました。現在は千菅さんがいらっしゃらない分「我々だけで頑張らないと」という意識が強く働き、自走することができています。

新津:仮説の精度が明らかに上がりましたね。その影響で施策ごとのヒット率も高まりました。仮説が出てこなければ施策も生まれませんから。油木が申し上げたようにチーム内の議論も活発になり、メンバーが成長できる良いチームになっていると感じます。

油木:先日、丸井グループにある約300の部署の中で、私たちのチームは働きがい1位の称号を獲得しました。メンバーの知識・スキル・やる気と挑戦できるレベルが釣り合っており、フロー状態に入りやすい点を評価されました。

新津:メンバーのモチベーションは元々高かったものの、これまではスキルが追い付いていなかったんだと思います。そこを千菅さんのサポートで伸ばしていただき、メンバーは成長実感が得られて仕事も楽しくなる。そういう循環が大きなやりがいにつながったのではないでしょうか。

──丸井における内製化の成功要因はどんな点にあったと思いますか?

千菅:内製化を支援する前に常駐させていただいた影響が大きかったと感じます。EC事業本部の一員として「売上を上げるために何をするか」を真剣に考える環境が、私自身の事業理解を深め、組織の特徴や取り組むべきタスクを明確にしました。

 また、メンバーの皆さんのチャレンジ精神によるところも大きいです。KARTEを活用すると、施策PDCAサイクルが非常に早く回るようになります。逆に言えば、新しい施策を常に考えることが成果を創出し続ける鍵になる。そのような環境下で、EC事業本部の皆さんは歩みを止めずにチャレンジしてサイクルを回し続けていらっしゃいました。その姿勢が内製化の成功要因だったと考えます。

取り組んだ施策の一例
取り組んだ施策の一例

AIでパーソナライズの高度化と従業員体験の向上へ

──最後に、皆さまの展望をお話しください。

油木:LTVの向上を目指し、お客様の利用回数に注目しながら施策を考えたいです。そのためにはコミュニケーションのパーソナライズ化をさらに研ぎ澄ませる必要があると思います。

 EC事業本部で積み上げた知識やノウハウを自部署だけでとどめておくのは非常にもったいないです。ドキュメント化などを通じて伝承し、会社全体のレベルアップにもつなげられればと思います。

新津:DXの文脈では、AIをもっと活用していきたいですね。今後はAIをうまく取り入れたECサイトが勝つと思います。プレイドさんのお力を借りつつ、自分たちでも考えながらAIを活用し、お客様がより使いやすいサイトに最短距離で近づきたいです。

千菅:私としては「パーソナライズ(CX)」に加えて「従業員体験の向上(EX)」という面でもさらなるご支援をしたいと考えています。当社にAIの事業が立ち上がったため、パーソナライズの高度化でお役に立てることは多いです。引き続き、事業成長につながるアウトプットを生み出すことが展望です。

 以前、新津さんが「自分の頭で考える時間が増えると、従業員がワクワクして働ける」とおっしゃっていて。今回の内製化によってKARTEがルーティン業務を圧縮し、皆さんの考える時間を増やせたと思います。今後は考える前の工程、たとえば仮説を立てるためのデータを抽出する工程などをAIによって自動化できるよう、プロダクトも活用支援の内容も磨き上げていきたいです。

アパレル最新マーケティング事例10選

成長するアパレル企業のKARTE活用事例から、デジタルマーケティングのトレンドを知ることができます。詳しくはプレイドのWebサイトよりダウンロード可能なアパレル企業のデジタルマーケティング事例集をご確認ください。

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この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社プレイド

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/03/25 10:00 https://markezine.jp/article/detail/50183