SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2026 Spring

博報堂リサーチ&データ

支出人数は減少?「推し活」盛況の背景で起きている市場の変化~コンテンツとの新たな“出会い”がカギに

コンテンツとの新たな“出会い”を作るために何ができるか?

 新たなコンテンツファンを育てるために、生活者とコンテンツの偶発的な“出会い”やジャンルを超えた利用やファン化がカギになるのではないかと考えます。具体的な事例をご紹介します。

 ある有名アーティストは話題を呼んだ大規模ライブをYouTubeで無料公開しました。ファンに向けて有料配信する選択もあったと思いますが、これまでこのアーティストのファンでなかった人でも接触するきっかけを作ろうとしたと見られます。

 コンテンツジャンル内外を横断した“相乗り”も効果がありそうです。音楽ジャンルでいえば、フェスのような多様なアーティストが集まるイベントは代表例ですし、たとえばバンドとアイドルといったファン層が異なりそうな組み合わせで競演する「対バン」も珍しくありません。また、あるスポーツ選手が他の複数の競技のアスリートや音楽アーティストらも呼んでジャンル横断のイベントを実施したケースもあります。

 その他、改めてメディアやプラットフォームの環境の変化を捉えた発信は重要です。今はSNSやショート動画といった場でコンテンツを楽しむことは中心的な体験のひとつです。コンテンツ調査で、2025年にユーザーの平均利用時間が最も長かったSNSはTikTokで、1日1時間近くに達しています。コンテンツへの意識を聞いた設問では「長編コンテンツより短編コンテンツのほうが好きだ」という回答が急増し、前年より10ポイント近く上昇して2025年調査では34%に上りました。

 生活者はより短時間、手軽に動画でコンテンツを楽しむことに慣れているといえ、そういった環境の中でどう訴求していくかが問われています。

コンテンツホルダーだけじゃない、マーケターへの影響

 ここまで見てきた変化はコンテンツホルダーだけでなく、コンテンツを活用したマーケティングに取り組む事業会社にとっても影響があるはずです。

 既に多くのファンを獲得しているコンテンツだけでなく、これから新規ファンを獲得していくような成長性のあるコンテンツとのコラボレーションを望む事業会社は少なくありません。しかし、ファンが新たなコンテンツと“出会えていない”としたら、これから成長するコンテンツを見つけることは難しくなっている可能性があります。

 ただ、そんな時こそ、データから兆しを見つけることができると考えます。次にヒットしそうなアーティストや拡散力の高いファンを持つコンテンツの発見、まだコンテンツを利用してない新規層との接点になるようなメディアや企画のきっかけとして、コンテンツ調査のデータがコンテンツホルダーや事業会社の助けになればと考えています。

コンテンツマーケティングへの示唆

  1. コンテンツへの一人あたりの支出金額が増える一方、支出層・利用層が減っている
  2. 生活者は新たなコンテンツと“出会う”よりも、既存コンテンツを深める傾向か
  3. 新規ファンを育てるために、生活者の変化を捉えた偶発的な“出会い”創出がカギに

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
博報堂リサーチ&データ連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

加藤 陽平(カトウ ヨウヘイ)

株式会社博報堂テクノロジーズ コンテンツプロデューサー
2022年博報堂に中途入社。主にメディア企業・コンテンツホルダーのデジタル施策・データ活用の支援、広告商品の開発を行う。コンテンツビジネスラボではコンテンツファンの分析やグループ内でのデータ共有を通じて、博報堂DYグループのコンテンツを活用したマーケティングの推進を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2025/12/19 09:00 https://markezine.jp/article/detail/50204

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング