ポイント4:スポーツコンテンツ広告のビッグテック市場価値による拡大
2026年は、冬季オリンピック、FIFAワールドカップ(W杯)、WBCなど、一大スポーツイベントが目白押しの「スポーツイヤー」だ。
スポーツ領域では、スポンサーおよび放映権を巡って巨額の資金が動く。たとえば、FIFAは2023~2026年のスポンサー契約サイクルにおいて、前回の50%増の1.9兆円超えの収益を見込んでいる。W杯は世界経済のパワーバランスすら見えてくる、巨大駆け引きマーケティングだ。
ドラマや映画は、Netflixでどんなにメガヒット作と言われるものでも、視聴アカウントを持っており・かつ作品に興味のある人へのリーチに限られる。また、好みの変化やシリーズの終了とともに、ファンが離れていく傾向がある。これに対して、スポーツは「国境や言語の違いを超え・没入感があり・忠誠心があり・長年語られ続ける」ライブ・コンテンツだ。
放映権料は、Amazon・Google/YouTube・Apple・Netflixなどのビッグテックと、エネルギーを保有する企業の価値の高まりに比例して、今後さらに高騰していくと見込まれる。ちなみに、2026年のW杯の最大のスポンサーは、サウジアラビアのエネルギー企業「Aramco」だ。日本のテレビ局企業は、この競争にどこまで耐えられるだろうか。
2026年のW杯で、日本での放映権獲得に動いたのは電通だった。推定350億円規模と言われており、電通+NHK+日テレ・フジ+DAZNのチームでの放映となる。
電通は2025年6月に「スポーツ&エンターテイメント(S&E)」の事業展開を発表しており、「文化×スポーツ」のグローバル市場参入へ舵を切っている。「文化=ドラマや映画などの完パケ番組」だけでなく、「スポーツ=ライブ(生)」の領域を取り込む戦略だ。Amazon・Apple・Googleといったスポーツ放映権に兆円規模の投資を行うメガプラットフォームと同じ土俵に立つ日本企業が登場すれば、国内IPコンテンツ(アニメ含む)の外販と、国際スポーツの国内視聴の循環も期待できる。
グローバルコンテンツとしてのスポーツイベントでの各国・各社の動きは、企業・国家の「本気の長期戦略」を読むヒントになる。試合結果や動員数などファン目線での盛り上がりだけでなく、「事業の背後」にもアンテナを張っておきたい。
