生成AIはクリエイティビティをどう変える? 安野貴博さんと博報堂が考える、AI時代のクリエイター論
追求したいのは「ローカライゼーション」と「コミュニケーション」
安野 先日、「デジタルの公共財をどのようにつくり実装するか」といった観点から新たなプロジェクト「デジタル民主主義2030」を発表しました。
取り組みの一例として、AIでコミュニケーションを活性化したり、無駄ないさかいをなくしたりしたいと思っています。私見ですが、4~5万人以上のコミュニティで、効果的に議論をして意思決定する方法を人類はまだ発見できていないと感じています。この方法を見つけるカギを握っているのがAIだと思うんです。今はまだ不可能ですが、5年後には可能になる予感もしています。こうした仮説をもとに、2025年は活動していければと思っています。
豆谷(博報堂) 私が最近とくに意識しているのは、いちクリエイターとして「地域性と国際性をいかに両立するか」ということです。

オープンソースもそうですし、テクノロジーのおもしろさって「世界のどこでも、すぐ使える」というスピード感にあると思うんです。AIの普及で、この勢いは加速しています。その点で、日本のプロダクトが国内にとどまっているのはもったいない。もっと世界に広げていきたいと考えています。一方、世界に広げるなかで「日本ならでは」な地域性が薄れてしまうのはよくある課題。こういった部分に、博報堂が重視している「生活者発想」という究極のローカライゼーションをどのように載せるかは、今後も取り組んでいきたい領域です。
安野 そのバランス感覚はとても重要ですよね。グローバルに通用するものだけが残り続けることはないでしょうし、かといってローカルすぎるものは広がりにくい。いかにバランスをとるかは、私も興味があるポイントですが、具体的に「地域性の発信」という点でどんな取り組みをされているんですか?
岸本(博報堂テクノロジーズ) 2024年に発表した「AIラップ名刺 MY PUNCHLINE(参考動画)」がわかりやすいかもしれません。写真とプロフィールをアップロードすると、自分がラップで自己紹介する動画を生成できるサービスのプロトタイプです。

入り口は名刺交換という「日本独自のビジネスコミュニケーション」で非常にローカルなものなのですが「コミュニケーション能力の拡張」においては世界でヒットする潜在能力もあると考えています。
豆谷が話した国際性と地域性の両立以外で言うと、クリエイターであり「企業のAIエンジニア」として考えているのは、「現状のアセットを活用して誰かのためになるものを作れるか」という点。絵を切り貼りして何かひとつのアートを完成させるように、AIと共創しながら集合知的なプロダクトを作っていけるクリエイターになりたいと思っています。

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鬼頭 勇大(キトウ ユウダイ)
フリーライター・編集者。熱狂的カープファン。ビジネス系書籍編集、健保組合事務職、ビジネス系ウェブメディア副編集長を経て独立。飲食系から働き方、エンタープライズITまでビジネス全般にわたる幅広い領域の取材経験がある。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
提供:株式会社博報堂
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
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