LINEヤフー保有の膨大なデータ活用で、広がる可能性
これらの多様なデータを扱う基盤として、LINEヤフーのサービスから生まれる膨大なデータが活用可能だ。1.1エクサバイト超のキャパシティと、日々1.5兆件超のレコード処理を誇る大規模なもので、そのままAI活用にも転用できる点が強みになっている。
LINEヤフーは社内ナレッジボリュームも膨大で、Wikiだけで1万5,000スペース・6,000万ページ以上、共有ファイルは5ペタバイト・4億ファイルにものぼる。これを人間が習得・伝達するのは現実的ではないが、AIを介することでナレッジの横展開が一気に現実的になる。実際にLINEヤフー社内では、分析したい内容を投げるとレポートを返すAIエージェントを構築しており、アナリストが登録した分析の型やナレッジが営業現場まで届く仕組みを実現しているという。

「この環境を整えるうえで重要なのは、既存のDX化/データ分析環境をAI用に解放すること、AI時代のセキュリティ・データガバナンス体制を作ること。そして、外部データも活用してAIを育てることです」(田村氏)
「DS.INSIGHT」で一歩進んだAI活用を
こうした分析環境の構築を手軽に始めるための手段として挙げられるのが、顕在化しにくい消費者のニーズを探索・分析できるデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」だ。
DS.INSIGHTは、LINEヤフーが保有する生活者データを外部企業も活用できるサービス。検索データからは「何を欲しいと思っているか」「どれほどの強度でニーズが存在するか」が把握でき、位置情報データは商圏分析や人流分析にも活用できる。
同ツールは、本セッションで紹介されたキーワード分析、カスタマージャーニー分析、トレンド分析の他、ペルソナ分析や表現分析といった機能も備えており、外部データとの組み合わせも可能だ。提供されるのは統計化されたデータであり、個人情報をそのままAIに渡すわけではないため、安心して活用できる。
田村氏は「本日は、生活者・消費者理解においてAIをどう活用するかについて、LINEヤフーの実例をもとにご紹介しました。既存業務の効率化にとどまらず、データとAIを組み合わせることで初めて見えてくるインサイトがあります。一つでもヒントとしてお持ち帰りいただければ幸いです」と述べ、セッションを締めくくった。

