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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Online

マーケターの「直感」を「論理的な戦略」に昇華する「5Sフレームワーク」

「これはいける!」という直感はなぜ敗れるのか?直感を戦略に変える「1つ目のS:See(観察)」の技術

直感を納得・妥当性のある戦略にする「5Sフレームワーク」

 試行錯誤の末、私は、直感(感性)とデータ(論理)を繋ぎ、意思決定の質を最大化するプロセスにたどり着きました。

 そして2025年以降の生成AIの飛躍的な進化を目の当たりにし、私は一つの確信を抱いています。それは、かつて属人的だった前述の実務フローを、AIを「思考のパートナー」とすることで、誰もが使える型へ民主化できるということです。現場の実務者が抱く「良い直感」が、データ不足や説明スキルの壁によって潰されることなく、世に出ていく仕組みを作りたい。これが、本連載を執筆する動機です。

 本連載では、マーケティングや商品開発、事業推進など、日々意思決定を迫られる実務者へ向けて、“明日から使える思考の型”である「5Sフレームワーク」を提唱します。

  • See(観察):直感を適切な問いに変換する
  • Structure(構造化):市場の構造を解き明かす
  • Select(選択):勝てる戦略を絞り込む
  • Solidify(具体化):実行可能な形に具体化する
  • Settle(決断):責任を持って「納得解」を選ぶ

 今回は、第1ステップである「See(観察)」に焦点を当てて、直感をどのように戦略の起点となる「適切な問い」へと変換するかを解説します。

直感に潜む「確証バイアス」の罠と、事象の単純化

 現場の体験から生まれる直感は、強力な“初期仮説の種”です。しかし同時に、直感には思い込みのリスクが潜んでいます。

 たとえば、競合分析の場面を想像してください。「自社にない他社の強みを見つけ、具体的な解決策を立てたい」という熱意は正しいものです。しかし、その熱意が無意識のフィルターになってしまうことがあります。

 というのも、人間は課題に直面すると、事象を単純化しようとする傾向があります。「あの競合は価格が安いから勝っている」「機能が優れているからだ」「広告にお金をかけているからだ」と、直感で理由を決めつけてしまいがちです。

 そして一度その思い込みフィルターがかかると、なかなか外すことができません。たとえば、競合分析ツールを使ってデータを検索する際、無意識のうちに広告投下量や媒体配分の差など「自分の仮説を裏付けるデータ」ばかりを探してしまいます。抽出されたデータ自体は間違っていなくても、データを見る「視点」が最初から偏ってしまっている。データは「嘘」をつかないが、「真実」を語るとは限らないということです。

 実際、定性インタビューや意思決定プロセスを深く理解するために定量調査を実施し、データとコメントを往復しながら深く分析してみると、実態は大きく異なっていることがほとんどです。顧客の意思決定はもっと複雑で、無意識レベルの様々な要素が複合的に絡み合っています。決して「価格」や「機能」だけで説明できるほど単純なものではありません。この事実は、商材を問わず、私が経験してきた通信・損保・住宅といった複数の業界で共通して見られました。

 自分の仮説と合うデータだけを無意識に集めてしまう傾向は、どれほど熟練したマーケターや企画者でも避けられない人間の性です。

 実は、この傾向は顧客アンケートでも生じることがあります。私が実務で数多く見てきたのは、設問の文面に「こう答えてほしい」という作り手の恣意的な意図が透けて見え、顧客を無意識のうちに特定の回答へ誘導してしまっているアンケート。一見すると顧客のリアルな声に見えても、実は「作り手が見たかった答え」を集めているに過ぎないケースは多々あります。

【オンライン開催】MarkeZine Day 2026 Onlineに連載著者の日ノ澤氏が登壇!

 5月21日(木)18:00~18:30に「5Sフレームワーク」を30分で解説予定。オンラインでどなたでも無料でご視聴いただけます。視聴には事前登録が必要です。登録はMarkeZine Day 2026 Online公式サイトから。

次のページ
「S:See(観察)」の3ステップ

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この記事の著者

日ノ澤 恵莉(ヒノサワ エリ)

積水ハウス イノベーション&コミュニケーション株式会社 CRO(Chief Research Officer) 

Royal Holloway, University of London MBA修了。オリエンタルランドでテーマパークのマーケティング戦略・商品企画を担当後、ソフトバンクや大手損害保険会社...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/04/07 08:00 https://markezine.jp/article/detail/50551

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