美しさが生み出す格差
美しさが健康や自己管理と結びつくようになるなかで、もう一つ大きな変化も起きています。それは、見た目がその人の自己管理力や信頼感を示すものとして受け取られ、社会の中での印象にも影響するようになっていることです。
Havasの調査でも、多くのプロシューマーが「美しさは社会的・職業的成功に欠かせない」と考えています。なぜなら、整った外見は清潔感やきちんとした印象を与え、それが相手からの信頼や好意につながりやすいからです。つまり美しさは、単なる見た目の好みではなく、社会の中での評価にも影響するものになっているのです。調査結果にあるように、こうした「美が与える社会的信用」を背景に、今や男性の間でも美しさへの関心は急速に高まっており、ジェンダーを超えたテーマとなっています。
事例1:Rhode――美はトレーニング
Rhode(ロード)はリップ製品のカラー名に“Balance” “Lunge” “Stretch”など、トレーニングを思わせる言葉を使っています。これは、美しさを特別な日のためにつくるものではなく、毎日の習慣の中で少しずつ鍛えていくものとして捉える考え方です。ロードは、そんな現代的な「自己研鑽としての美」を表現しているのかもしれません。
事例2:The Ordinary――知識もまた自己管理
The Ordinary(オーディナリー)は「ナイアシンアミド10%+亜鉛1%」のように、成分名そのものを商品名にしています。派手なパッケージやイメージで魅せるのではなく、何が入っていてどんな働きをするのかをわかりやすく示しているのが特徴です。
配合成分がはっきり公開されているからこそ、使う側にも「何が自分の肌に合うのか」を理解するための知識が求められます。このように、美容は魔法ではなく、知識をもとに少しずつ自分の状態を整えていく行為として捉えられるようになっています。
事例3:IT Cosmetics――美しさの自信は社会行動につながる
IT Cosmeticsは、美容を、ただ自分をきれいに見せるためのものではなく、自信を持って行動するきっかけとして捉えています。2021年に始まったGo For ITキャンペーンでは、様々な団体と連携し、女性起業家が資金調達や学びの機会を得ながら、一歩を踏み出しやすくなるよう支援しています。美しさによる自信は、実際の行動につながるものとして考えられているのです。
