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マーケティングOSのアップデート

横山隆治氏新連載:マーケティングOSのアップデート|第1回「広告会社の古いOS」を更新せよ。

 「広告が効かなくなった」のではない。環境が一変したにもかかわらず、作り手の「OS」が旧態依然としたままだから効かないのだ――数々の変革を提唱してきた横山隆治氏による新連載がスタート。本稿では、デジタルやAI、SNSという「アプリ」を導入しても、組織の「見えない基本設計(OS)」が古ければ機能しないと断じ、日本の広告会社が辿ってきた変遷を紐解く。

「広告が効かなくなった」のではない

 この10数年、「広告は効かなくなった」「広告の時代は終わった」のような議論はもう当たり前のように語られています。かく言う筆者も、そうした議論に与してきたひとりです。

 しかし、よくよく考えると「広告が効かなくなった」のではなく、「効かない広告をつくっている」というのが正しいのです。環境が一変しているのに、従来どおりの広告のつくり方をしている。だから効かない。

 昨年上梓した『新トリプルメディアマーケティング』で冒頭から筆者は「テレビCM起点でクリエイティブをつくることはもうおかしい」と断じました(テレビCMのインプレッション数の6割以上が60歳以上に当たっています)。

 コミュニケーションは圧倒的に受け手主導になりました。マーケティングにおいても消費者に主導権があり、これは不可逆的なものです。ところが、いまだに送り手に力があるという大いなる誤解(信じたい気持ちはわかるのですが)の上にマーケティングコミュニケーションが実行されています。

 昔は「ワンボイス、ワンメッセージ」などと言って、接触する各メディアで共通のメッセージやイメージを展開するのが当たり前でした。しかし、これは誰もがテレビを観ていた時代の考え方です。街中でも店頭でも「テレビでやってたやつね!」となるから、ワンボイス、ワンメッセージで通用していたことに気づくと思います。

 テレビを観ない現代の消費者は、CMに出てくるタレントが店頭のデジタルサイネージに映っていても全く反応しません。テレビを真ん中に置いたコミュニケーション設計はずいぶん前に陳腐化しています。

 ではどうしたらいいのでしょう。「広告が効かなくなった」のではないということは「効く広告もつくれる」ということです。そのためには、まず「広告会社のOS」をアップデートしなければなりません

広告会社は「OS」から変えないと意味がない

 ここで「広告会社のOS」とは何かを定義しましょう。筆者の定義は以下です。

広告会社のOSとは、その広告会社が、何を価値と定義し、どう意思決定し、どう仕事を分業・評価・再生産しているかを決めている“見えない基本設計”である

 もう少し噛み砕くと広告会社のOSとは、以下のような、日々の行動を無意識に支配しているルールセットのことです。人は戦略的に動いているつもりでも、実際には OSで動いています。

  • どんな仕事を「良い仕事」と考えるのか
  • 何を起点に企画を考えるのか
  • 誰の判断が最終決定になるのか
  • 成果はどう測られるのか
  • 人は何をやると評価され、出世するのか

 デジタル部門を作っても、AIを導入しても、KPIを変えても、OSが旧来のままだと、必ず元に戻ります「広告会社のOSを変えないと意味がない」というのが、筆者の経験則による結論です。

次のページ
広告会社OSを構成する5つの中核

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この記事の著者

横山 隆治(ヨコヤマ リュウジ)

横山隆治事務所 代表取締役
ベストインクラスプロデューサーズ 取締役 ファウンダー
トレンダーズ 社外取締役

1982年青山学院大学文学部英米文学科卒業。同年、旭通信社(現・アサツー ディ・ケイ/略称:ADK)に入社。インターネット広告がまだ体系化されていなかった1996年に、日本国内でメディアレップ事業を行う専門...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2026/05/08 09:00 https://markezine.jp/article/detail/50703

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