データを根拠に社内を動かす
例えば前述のケースで、読者のみなさんがシステム担当部長にこう言ったらどうなるでしょう。
「サブ画像の大きく出せるdocomo705i、905i以降の機種では、サブ画像を見たユーザーの5%がコンバージョンしているのに、サブ画像が小さい903i以下の機種は、同じサブ画像を見たユーザーのコンバージョン率が2.5%です。903i以下の機種を使っている人はうちのサイトには40%いて、その人たちのコンバージョンが2倍になれば、全体のコンバージョン数は1,000回増えます。一人あたりの単価が5,000円ですから、売上は500万円までのアップが見込めます。システムの改修費用100万円を考えても、投資効果が十分でます」

…ここまで言って、誰が反対するでしょうか。きっと「ちっ、理屈っぽい奴め」と思っても納得せざるを得ないし、仮に現場で反対されても、改修するより得するなら、会社は承認するはずです。

とはいえ、冒頭でもお話しているように、モバイル解析に大変な手間をかけていたら、モバイルサイトのビジネスサイクルに合いません。その結果を活かす前に、まったく違うサイトに変わっていたりしたら、やってきたことが水の泡。上司にも「更新作業やコンテンツを考えるほうに頭を使え」と言われてしまいます。
モバイル解析では“いかに手間をかけずに、意味のあるデータを出すか”も重要なのです。
次回は、手間をかけないアクセス解析の方法として、解析を行うタイミングと、データを見るポイントについて解説したいと思います。