リニューアルは単なるスタート地点
綿密な解析・準備を経て、ようやくリニューアルオープンとなったら、今度は「After=リニューアル後のアクセス解析による効果測定」が必要だ。リニューアル作業が終わると「無事成功!」と安心してしまいがちだが、石井氏は「ここからが本番。リニューアルは単なるスタート地点に過ぎません」とクギを刺す。
リニューアル後は、「結果の監視と修正」をメインにチェックしていくことが重要だ。「リニューアルしたことで何か問題が起こっていないか」、「リニューアル後のページが検索上位に表示されているか」、「新しく作成したコンテンツはCVに貢献しているか」、「目標値を順調にクリアしているか」などのポイントに絞ってチェックを行い、目標値に達していない場合は、再度原因の解析→修正→確認を行わなくてはならない。
「つまり、一般にいうPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを、こうしたサイトの現状分析・改善にも応用することで、客観的かつ効果的なアフターケアが可能になるのです」
しかし、監視するにもどこを見ればいいのかわからない、見たい指標が取れないといった理由でうまくいかないケースも少なくない。そのために、石井氏はリニューアル企画時から、その後のPDCAサイクルを意識したサイト設計を行っておくことを忘れてはならないとアドバイスする。
「リニューアル後の施策がうまく行っているかを見るための指標を、あらかじめ定めておきましょう。その指標もビジネスモデルや業種によって異なるので、よく検討しておくべきです。そして見るべき指標が定まったら、その数値を抽出しやすいようにサイトを設計します」
サイトの規模によっては外部の専用ツールやサービスを利用して、時間や作業負荷を軽減するのも賢い選択だ。その場合も、順調にアフターケアが開始できるように、リニューアルと並行して準備を進めておくことが重要なポイントだと石井氏は重ねて強調し、講演を締めくくった。

