携帯の特徴を掴んだユーザービリティを
「携帯電話=PCの代替」ユーザー(インターネットは基本的にPCで利用するユーザー)には、「携帯サイトでは毎回ページの読み込みに時間がかかって不便、面倒だ」という感情が共通しています。つまり、なるべく少ないロード回数で情報を入手したいというニーズがあります。
従って、同じ量の情報を伝えるにあたって、
- ページを複数に分割し、ページ遷移させる(ロードが必要)
- 1ページに情報をまとめ、ページ内リンクでコンテンツ間を移動させる(ロードが不要)
という2種類の方法では、後者の方が「携帯電話=PCの代替」ユーザーに好まれ、より多くの情報に接してもらうことができます。
実際、ページを複数に分割した場合、弊社のユーザビリティテストでは図1のような行動が観察されています。インデックスページへ戻ることを繰り返し、「面倒だ」と感じた時点でそのサイトへの興味を失い、閲覧を止めてしまうのです。
一方、1ページに情報をまとめ、ページ内リンクで誘導した場合の行動は図2のようになりました。データを一度に読み込んでいるので毎回ロードするストレスが無く、全てのコンテンツに目を通す確率が上がりました。
携帯サイト閲覧中のユーザーは、リンク先が別ページであるか同ページであるかは気に留めていません。よって、長いページでユーザーをナビゲートするには、ページ内リンクが有用です。
また、これは都市圏限定ですが、1ページの情報が多いことについて、「地下鉄に乗っているときでも、駅で読み込んでおけば、駅と駅の間でたくさん読める」と、ロード間隔の長さをメリットを挙げるユーザーもいます。
サイト(またはカテゴリ)で伝えたい情報やユーザーを導きたいゴールによって、ページを分割するか1ページにまとめるかの判断は異なりますが、ターゲットユーザーが「携帯=PCの代替」ユーザーであれば、今回ご紹介した特徴、「ロードのストレスが高い」「ページ内リンクでも気にしない」は考慮に入れておくと良いでしょう。