企業と消費者の間に「絆=エンゲージメント」を構築する
現在、広告コミュニケーションの世界では、「エンゲージメント(Engagement)」つまり「絆/良質な関係構築」というキーワードに企業の注目が集まっています。企業が消費者と良質な関係をいかに結べるか、あるいは具体的な商品と消費者との絆をどう構築できるか、という視点から両者のコミュニケーションを考えるのが「エンゲージメント」です。

企業が提供する商品、サービス、ブランドには、背景やエピソード、それを生み出す際の意志などが存在します。消費者自身がそうした情報に触れ、信頼感や共感をもとに指名購入をしてもらうための関係づくりが「エンゲージメント」ということになります。そうすることで、単に商品情報を得るだけでなく、企業の持つバックグラウンドから価値を見出したり、その企業が発する情報に対する信頼感を獲得したり、それらの情報によって満足感を高めることができるのです。
その際に重要になるのが、以下のポイントです。
- 情報の一貫性&継続性
- 情報の十分な量とタイミング
- 対話&体験を踏まえた共感づくり
これらは、人と人が対面して行う「Face to Face」の商談でも同じではないでしょうか。相手の人となりや考え方を知らずに、本当に紙1枚や15秒だけの商談で、気持ちよく満足のいく買い物ができるでしょうか。十分な時間とリラックスした雰囲気で、雑談も交えながら購入にいたり、そのあとも良好な関係が続いていく――こうした関係が構築できれば、その人が勧めてくれる商品や提案について聞いてみたくなるのではないでしょうか。こうした関係構築を「Man to Man」で行うのではなく、メディアを介して行おうというのが「エンゲージメント」なのです。