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クロスメディアが変える!広告コミュニケーションの現場

第3回 広告コミュニケーションから生まれる「エンゲージメント=絆」とは?

クロスメディアで、マス広告の限界を超える

 そこで、重要なのが「クロスメディア」の発想です。消費者との深い関係作り、「エンゲージメント」を獲得するには、さまざまなメディアを上手に活用し、最初の出会い(認知)から関係の第一歩(購買)、その後の使用・リピートにいたるまで、消費者(お客様)との良質な関係作り(=絆作り)を意識した展開を行うことが重要になってきます。

 ひとつひとつの広告展開を1回きりの施策として終わらせることなく、継続した資産として、「絆」としてEngageしてゆくことで、不安の少ない、満足度の高い購買を提供できるようになります。その際に大きな役割を果たすのがWebの存在です。先ほどの3つのポイント、つまり一貫性と継続性、十分な量とタイミング、対話&体験による共感の多くを可能にするのがWebだからです。

 テレビや新聞などのマスメディアにおける広告展開では、非常に大きなコストがかかります。提供できる情報量にも限りがあります。さらに、情報提供が一方的になりがちで、「消費者と共有する」という感覚が生まれにくいのが現状です。それをフォローするのがWebです。Webの活用によって、一貫性と継続性を担保し、十分な量の情報と情報へのアクセスや対話などを提供することが可能になるのです。

「お取り寄せ」ブームを支えるものはなにか

 最後に、消費者が情報に懐疑的になってきているにもかかわらず、なぜ「お取り寄せ」などの購買が増えてきているのかという点についてお話ししておきましょう。

 情報が氾濫する中で、その情報を信頼できるかどうかの判断が大きく購買に影響を与えています。かつては、「信頼のできる情報=新聞の情報」という暗黙の共通認識がありましたが、現在では違います。インターネットの調査などでも、一番信頼できる情報源は「メーカーのWebサイト」という結果が出ています。これは、マスメディアから間接的に伝える情報より、作った人に直接聞くのが一番!という方向に、人々の認識が変わりつつあると考えることができるでしょう。

 さらに、商品を作っている人はもとより、それを買った人、使った人、食べた人の意見や情報を聞いてみたいと考える人の多くは、ネットで情報を検索して、ブログなどで実際に購入した人や体験者を探します。これは、消費者の「能動接触(消費者が自分から情報を求めて探すこと)」のあり方が、従来の一方向的なメディアへの接触から、大きく変わったことを意味しています。

 その一方で、インターネットによって変貌した情報のあり方にとまどいを感じている消費者も少なくないと思います。だからこそ、信頼できる情報提供、つまり絆をもとにした広告コミュニケーションが重要になってくるのではないでしょうか。

 今回お話しした「エンゲージメント」は、現在の広告業界でワールドワイドで語られているテーマです。今年のカンヌ広告際でも多くの企業がこのテーマでセッションを行っていました。それは、インターネットの影響が、情報の接点としてだけでなく、コミュニケーションの内容にも大きく影響してきていることの現われだと思います。

 このような、広告を取り巻く環境は情報に接する機会の多くなってきている昨今大きな変貌を生み出しています。「絆消費」ともいえる消費行動や情報接触の価値を生み出すコンテンツの重要性。いかに楽しみながら新しい情報を得るか、そして実感の伴う共感を生み出すかなど、大きな話題がたくさんあります。このあたりのお話は大きなテーマですので、また改めてその回を設けたいと思います。

こんな観点から広告を考えると、広告主として、媒体社として、広告に対する目が変わってきませんか?

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この記事の著者

三輪 宗久 (ミワムネヒサ)

(株)アサツー ディ・ケイ勤務。インターネットに関する、調査マーケティング、制作メディア・事業開発・事業推進などの担当を経て2004年よりクロスメディアセクションへ。現在は、さらにADKインタラクティブ・ディビジョンにて、インタラクティブコミュニケーションを中心にクロスメディアプランニングに従事。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/01/29 15:30 https://markezine.jp/article/detail/575

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