「社員の健康にいいもの…野菜だ!」と始まった福利厚生制度
8月は「夏バテ防止」をテーマにとうもろこし、続く9月は「夏の疲れを取る」といって青首ダイコンと自己発酵ニンニクを配布……。こう聞くといったい何の会社かと思ってしまうが、株式会社ゆめみはれっきとしたIT企業。それも、携帯を始めとしたモバイルインターネットに特化した開発・制作企業だ。同社では、2008年5月から福利厚生の一環として、アルバイトを含む約60名の社員に、毎月1人1,000円の予算で有機野菜を配っているという。
「IT業界というと、いわゆる3K(キツい、厳しい、帰れない)というイメージがつきまといがちです。それを働きがいのある職場づくりという視点から、約40種の人事制度を発足させました。野菜配布はそのプランの1つなんです」と、株式会社ゆめみ 代表取締役CEOの片岡俊行氏は語る。
しかし、なぜ、そもそも「野菜」の発想が生まれたのか。
「開発という仕事がら、若い人ほど食事が不規則で外食ばかりといった状態が続いていました。そこで、『何か社員の健康にいいものは…それなら野菜だ!』とひらめきました(笑)。そこで会長に提案したところ、すぐに実行となったのです」と、このアイディアの発案者である、同社 総務人事部長の松田新吾氏は言う。
最初は野菜手当として給与での支給を考えていたが、どうせなら社員がおもしろがれるようにと、現物支給になったということだ。
「モバイル技術ナンバーワン」と「社員にやさしい」を両立させる
こうした会社の風土を理解するために、同社の成り立ちを振り返ってみよう。株式会社ゆめみは、2000年に当時京都大学大学院情報学研究科に在籍していた片岡氏と、代表取締役社長の深田氏、CTOの中田氏の同級生3人によって設立された。
以来、携帯サイトを中心としたソリューション提供に特化して成長を続けてきた。現在は大手外食チェーンへの携帯システム納入などのビッグプロジェクトなどを手がける一方で、メルマガ「Sweetマガジン」の発行やECソリューション『Mercury』などを幅広く展開している。こうした発展の一方で、つねにモットーとしてきたのが「社員にやさしい会社」だという。
「当社は3年中期計画で『モバイル技術でのナンバーワン企業』を目指しています。それには最新の技術やスキルは当然ですが、もう一方では充実した人事が欠かせません。この技術と人事を、当社の成長の両輪としていきたいと考えているのです」(片岡氏)。(この続きはCAREERzineでどうぞ!)