海外の手法に見習う
海外のバイラルプロモーションを直接手がけるケースはまだまだ少ないかもしれないが、インターネットを使ったマーケティングの場合、海外の事例を日本流に置き換えて、展開する場合が多い。今後の日本のバイラルプロモーションの方向性を占う意味でも、多少なりとも参考にして頂ければ幸いである。
テレビからネットへのシフトが加速~イギリス
イギリスは世界有数のネット広告先進国である。International Herald Tribuneの報じるところによると、2008年はネット広告の予算が、テレビ広告の予算を上回る見込みとなっている。同誌はまた「ネット広告の成長の主な牽引役は検索連動広告だが、テレビからネットへのシフトには動画広告が貢献している」と述べており、動画広告が好調なことがうかがえる。
イギリスはバイラルCM発祥の地であり、日本に比べてもその浸透度は高い。バイラルCM専門の広告会社も多数存在しており、日本にも進出している。例えば日本でも人気のバイラル広告ランキングサービス「VIRALCHART」はイギリスのザ・バイラル・チャート社が運営するサービスである。
最近話題となったイギリス発のバイラルCMの筆頭には、英キャドバリー社のチョコレート「キャドバリーデイリーミルク」のゴリラのムービーがある。
このムービーはゴリラのドラマーが恍惚の表情でドラムを演奏するというもので、テレビとネットの両方で放映され、特にネット上で大きなバイラルを巻き起こした。オリジナルだけにはとどまらず、ファンにより作成されたさまざまなリミックスバージョンがYouTube等に投稿され、バイラルは更に勢いを増していった。
日本のバイラルCMは現状それほど盛り上がっているとは言い難いが、中長期的に見て有望な分野であることは間違いないので、ぜひその動向に注目して欲しい。