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カリスマ店長・関口むつみのこれならわかる!集客の鉄則

第6回 「ドロップシッピング」リアル活用術(後編)


 ドロップシッピングはプロバイダーを利用すれば、個人で提携するのとはまた違ったメリットが得られ、同時にさらにリスクを軽減できることがお分かりになったのではないでしょうか。

 ただし誤解しないでいただきたいのが、いくらドロップシッピングが「リスクがない」とはいっても、それは「在庫を持たない」ことと、「発送業務がない」という商品の一連の流れに関するリスクのことで、残念ながらショップ運営すべてのリスクがなくなるわけではありません。

 とくにドロップシッピングプロバイダーなど、間に入る人間が増えれば増えるほど、予期しない「トラブル」が多く発生するものです。ドロップシッピングプロバイダーを利用する際もそのことを認識しておいた方がよいでしょう。

 それではどのようなトラブルが考えられるのでしょうか。前述したように私は実際にドロップシッピングプロバイダーを利用したことがありません。ですからここでは私が経験したよく起こるトラブルを、中間業者を通せばもっと起こりやすくなるだろうという考えで、3点ほど例を上げてみます。

1、発送のトラブル

 一般のネットショップでも、トラブルといえば「発送時に起こる事故」が一番多いのではないでしょうか。小さなトラブルならまだ良いのですが、ドロップシッピングのように、間に他の人間が入ってくると、それだけで「小さなトラブル」が「やっかいなトラブル」になってしまう可能性があります。そのトラブルをいかに回避するかが、お客様の信用を得られるか否かの分かれ目になってきます。

例えば、ありがちな下記の凡ミス。

  • 商品の間違い(違う商品を発送してしまう) 
  • 伝票の間違い(元払い・代引きなどでミス) 
  • お届け日、お届け時間指定の間違い 
  • のし、ラッピングの間違い

 もちろん人間のやることですから、ミスはどうしても起こります。ドロップシッピングプロバイダー各社もこうしたトラブルは想定済みで、各社対応策も用意しています。けれども何かあってお客様からの信用を失うのは、卸し元でもドロップシッピングプロバイダーでもなく、あなたのお店だということを忘れてはなりません。

 また、宅配便も間に入るので、当然商品の紛失・破損なども起こります。そんな時は信用を失わないように迅速に対応したいところですが、ドロップシッピングプロバイダー各社によって、対応が異なります。ですから自分の運営方式にあったプロバイダーを選ばないと大変面倒なことになります。

2、同梱包できない

 自分のお店の商品とドロップシッピングプロバイダーを利用した商品では、発送元が異なるので、通常は同梱包ができません。大きいもの、高額なもの、1点買いしかありえない商品など、同梱包できないことが理解されやすい商品の場合、送料が別途かかることや同梱包できないことをきちんと明記してあれば、お客様もたいていご理解くださってお買い上げいただけます。

 けれども低価格のもの(例えば雑貨)などは、理解していただくのが難しいでしょう。こちらの説明が分かりにくかったり、送料が倍もかかってしまうと、お客様はすぐにブラウザを閉じてしまい、もうショップに訪れてくれなくなってしまいます。

3、柔軟な販売が困難

 例えばバレンタインデーにキャンペーンを張るようなショップだと、年が明けたらすぐにキャンペーンを実施しなければいけません。その時に、

「今年はチョコと時計をセットにして、メッセージカードはコメント100文字まで受け付けよう。さらに男性受けするよう、シンプルラッピングで販売しようかな」

 なんて思っても、ドロップシッピングプロバイダーを利用している場合は、そこで扱っている商品しか扱うことはできなので、オリジナルのキャンペーン商品を作るのは困難です。
 また、「こんな風にラッピングしてオリジナルメッセージカードを入れて発送したい」と思っても、やはり自由にできないのです。

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この記事の著者

関口 むつみ(セキグチ ムツミ)

1974年東京うまれ。化粧品販売、2トントラックのルートドライバーなどの職を 経たあと、LAN設置工事や社内サーバ管理など行う。 2003年に知人のネットショップ構築を支援したことがきっかけで、インターネット通販に興味を持つ。2004年7月、開店資金5万円で、ブログを利用したネットショップ「和食器益子焼販売 楽raku」を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/01/26 15:10 https://markezine.jp/article/detail/629

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