SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

水野貴明の“技術から学ぶ”アクセスログの読み方

第2回 IPアドレスを理解してアクセス解析結果を“正しく”理解する(前編)


ホスト名がわからないこともある

 なかにはホスト名がつけられていない、IPアドレスも存在しています。これはすでに述べたように、コンピュータが実際のやり取りに使うのはあくまでIPアドレスであり、ホスト名は人間がそのIPアドレスを管理しやすいようにつけた別名に過ぎないからです。

 ホスト名を名づけるのは、それぞれのIPを実際に管理している管理者です。たとえば「○○.tsukuba.ac.jp」というホスト名であれば、筑波大学のネットワークを管理している管理者が、コンピュータの管理を行うために名前をつけています。しかしもし、どこかの組織でIPアドレスを管理している管理者が、そのアドレスに名前をふっていなかったり、もしくはその情報を外部に公開していなければ、IPアドレスからホスト名に変換することはできません。

図4 IPアドレスにはホスト名が割り当てられているとは限らない

 また、一つのIPアドレスに複数のホスト名が割り振られていたり、逆にひとつのホスト名が複数のIPアドレスにつけられていたりすることもあります。ホスト名はコンピュータの役割ごとにつけられる場合が多いので、ひとつのコンピュータが複数の仕事(たとえばWebサーバとメールサーバなど)を行っている場合に、それぞれの仕事用の名前を付けたりします。逆に同じ仕事をしているコンピュータを複数用意している場合は、同じホスト名をそれら複数のコンピュータのIPアドレスに割り当てることがあるのです。

【コラム:IPアドレスからホスト名を調べる】
ホスト名とIPアドレスの変換にはDNS(ドメインネームサービス)という仕組みを利用します。DNSを提供するサーバにIPアドレスやホスト名を渡すと、対応するホスト名、IPアドレスを返してくれるという仕組みです。DNSのメインの仕事は、人間が入力したホスト名をコンピュータのわかるIPアドレスに変換することであり、ホスト名→IPアドレスの変換を「正引き」、その逆、IPアドレスからホスト名への変換を「逆引き」と言います。 通常はDNSを使った変換を手動で行うことはありませんが、Windowsマシンでもnslookupというコマンドで変換を行うことができます。 スタートメニューから「プログラム」→「アクセサリ」とたどっていき「コマンドプロンプト」を起動します。そして「nslookup」に続いてIPアドレスやホスト名を入力すると、DNSにアクセスが行われ、結果が返ってきます。
図5 IPアドレスからホスト名への変換

 ちなみに、アクセスのログはIPアドレスとして記録されていることが多いため、アクセス解析でホスト名を利用するためには、解析の際に変換をかけなければいけません。この変換の作業は時間がかかります。そのためログ解析ツールによっては、このIPアドレスからホスト名への変換をおこなわない、という設定が可能なものもあります。

次のページ
同じコンピュータのIPアドレスも変化する

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
水野貴明の“技術から学ぶ”アクセスログの読み方連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

水野 貴明 (ミズノタカアキ)

1973年東京生まれ。バイドゥ株式会社勤務の兼業テクニカルライター。学生のとき に父親が買ってきたパソコン(マイコン)と出会い、コンピュータとの付き合い を開始。大学は有機化学、大学院では分子生物学を学ぶも、就職で再びコンピュータの道を進むことになった。その後インターネットの普及により、様々な方に出会う機会を得て1999年より執筆活動を開始。 http://d.hatena.ne.jp/mizuno_takaaki/

 

著書
『アクセス解析でホームページの集客を極める本』 水野 貴明著、 ソーテック社、2005年3月 
『詳解RSS~RSSを利用したサービスの理論と実践』 水野 貴明著、ディー・アート、2005年8月

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2006/07/25 12:24 https://markezine.jp/article/detail/62

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング